大学ではガバナンスがここのところよく話題に上るようですね。
新聞でもそのような記事を時折見かけます。
先日の日経新聞の記事を見てみましょう。
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少子化を受け、大学が経営力向上のためガバナンス(組織統治)改革に相次ぎ乗り出している。学長の権限を強化したり、外部の人材を招いて経営体制の透明性を高めたりといった施策が中心だ。一部の私大では意思決定の迅速化など前向きな効果も出始めている。
今回の記事で紹介されているのは芝浦工業大学です。
同大では2014年からガバナンス改革を始めており、
その成果も出ているとのこと。
目指したのは学長の強力なリーダーシップの下で戦略的に動く米国型の大学運営だ。教授会による介入を防ぐため、教授会は学長の「諮問機関」に位置づけた。今では学長が学部長や研究科長を実質的に選び、経営側の理事会が追認するルールが定着した。
日本の多くの私大では経営執行部が強く、学長の地位が低い。ところが芝浦工大では「理事会は学長が腕を振るえる環境を整える黒子役」(五十嵐理事長)と、学長を全面的に支援する。
特にユニークなのが「監事の充実」。
とかく名誉職扱いになりがちな監事を増員(2→3名に)、
しかも全員を常勤にしたというから驚きです。
監事は学外の民間出身者を起用し、学内出身者によるなれ合いも排除。
理事長は「常に『見張られている』という緊張感がある」とコメントしています。
監事がきちんと機能している私学の存在をあまり知らないのですが、
チェック機能がちゃんと働くことによって経営の質は上がるようです。
上智大学では学長の選任方式を変えたとのこと。
多くの私大では
「全教職員の投票で選ばれた候補を理事会が追認」
するのが通例化していますが、同大では
・外部人材も加わった「学長候補者選考委員会」が候補者を選考
・候補者から複数人を理事会に推薦
という手順をたどります。
理事会が実質的に学長を選べるようになった点が
これまでと大きく異なる点でしょう。
また、学校法人神戸学院では理事会の機能を強化するため、
理事会の多数派である卒業生理事のバランスを変え、
外部出身の理事が2人就任した、と記事に書かれています。
定例理事会の開催も増加(年4回→6回)。
法人のあり方について、より踏み込んだ議論ができる体制にしたそうです。
経営目標の実現のために最重要とも言える、体制整備。
さて貴校園ではどのようにそれを整えますか。
(文責:吉田)