とはいえ、まだ来年の話ですが。
(その前にやってくるラグビーワールドカップが個人的には楽しみです)
そんな折、パラリンピックが研修に活かされるという記事を見つけました。
日経新聞より。
(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)
企業などが従業員研修にパラリンピック競技を取り入れる動きがじわりと広がってきた。働く人材が多様化するなか、実体験を通じて障害への理解を深めたり、社内のコミュニケーションを円滑にするポイントを学ばせたりする狙いがある。専門家は「様々な場で多様性教育が広がれば、東京パラリンピックの貴重なレガシーになる」と指摘する。
記事には、ブラインドサッカーを体験した全日空グループの社員と
その家族のコメントが掲載されています。
ブラインドサッカーは声掛けが重要で、「コーラー」というガイド役が
相手のゴール裏からゴールまでの距離や角度などを選手に伝えているそうです。
視覚を遮られた状態で競技をしてみると、コーラーの重要性と
その役割の難しさが体験でき、結果、
コミュニケーションの本質が理解できる…というわけです。
相手の立場に立つ、ということを概念として理解していても、
実際にそれができるか、となると難しいものです。
この点、障がいを持つ方々がどのように競技をしているのか、
あるいは日常を過ごしているのか、ということを「体感」することで
必ず何か気づきがあるものだろう、とも思います。
これぞまさに教育活動、と言えそうですね。
学校教育の場においても、今回のオリパラを一つのきっかけ、機会として
教育内容を深めていくことができそうな気がします。
この点、成功例はイギリスにある、と記事の最後に書かれていました。
パラリンピック史上最多の約270万枚のチケットを売り上げ、「最も成功した」と言われるのが2012年のロンドン大会。現地で会場づくりなどに携わった建築家の山嵜一也さん(45)は「多民族国家でもともと多様性への理解があり、先の五輪で英国が躍進したこともパラの盛り上げにつながった」と話す。
大会を機に様々なレガシー(遺産)の取り組みがなされ、教育現場では障害の有無にかかわらず多様な児童生徒が参加できる競技会が学校対抗などの形で幅広く催されるようになった。
「スクール・ゲームズ」と呼ばれるこの枠組みには1万6千校以上が登録し、健常・障害児の混合チームで参加する学校もある。
さてこのたびの東京パラリンピック後はどうなるでしょうか。
記事に登場した山嵜さんはこうおっしゃっています。
「大会自体の成功ばかりを意識して一過性で終わるのではなく、
教育など息の長い視点に立った取り組みが重要だ」
(文責:吉田)