人生100年時代。
定年延長がよりいっそう現実のものに、
かつその期間も長くなっていきそうな話題です。
日経新聞より。
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政府は(5月)15日、希望する高齢者が70歳まで働けるようにするための高年齢者雇用安定法改正案の骨格を発表した。企業の選択肢として7項目を挙げた。70歳まで定年を延長するだけでなく、他企業への再就職の実現や起業支援も促す。企業は努力義務として取り組まなければならなくなる。
現行の高年齢者雇用安定法は、各企業に対して
希望者全員の65歳までの雇用を義務付けています。
(ただし、教職員のすべてを65歳まで雇用している私学は少ないでしょう。
これもまた法律で認められている範囲ですのでご心配なく)
世間では65歳定年制が少しずつ広がってきているようで、
60~64歳までの就業率は2018年に68.8%。
これは高年齢者雇用安定法の改正がなされた2013年と比べると
9.9ポイント上昇したそうです。
このたびの法改正案はあくまでも「案」の段階ですし、
仮に成立しても「努力義務」ということで、
急な変化はないかもしれません。
それでも、定年を60歳に据え置く学校法人も少なくない中で、
企業や公務員が70歳までの雇用を想定しだすと、
例えばこれまで多かった、
公立校で定年を迎えた教職員さんを私学で受け入れる、
といったケースが難しくなることも考えられます。
さて、人手不足が慢性化してきた学校現場で、
この影響は果たして…
参考までに、このたびの法案に盛り込まれる予定の7項目を見ておきます。
企業が取り組む選択肢の7項目のうち、同じ企業内で雇用を継続するのは3つだ。(1)定年延長(2)定年廃止(3)契約社員や嘱託などによる再雇用――だ。
社外でも就労機会を得られるように支援する。(4)他企業への再就職支援(5)フリーランスで働くための資金提供(6)起業支援(7)NPO活動などへの資金提供――だ。
本制度の努力義務化は、
将来の義務化と年金受給年齢の後ろ倒しも伴っているとみてよいでしょう。
学校や幼稚園の組織づくりや財政政策にも影響がありそうです。
(文責:吉田)