あれ?と思う表題に目が留まりました。
日経新聞からのご紹介ですが、地域版の記事ですので
東京界隈の方以外には初見になるかもしれません。
(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)
記事の中ではある私立高校の進学実績が紹介されており、
いわゆるGMARCHの合格者数が、2015年にピークを迎えた後、
大きく減少している様子が述べられています。
上記のグラフを見て驚いたのですが、
東京都の現役大学進学率はここ数年で右肩下がりとなっていて、
直近は10年前の水準に戻ったそうです。
これに対し、全国のそれは最高水準を更新中。
このような状況の原因を、記事は以下のように記しています。
国公立大の合格者は増えている。私大の異変は地方の若者が都市に向かわないよう政府が私大の定員を16年から徐々に厳格にし、合格者が絞り込まれたためだ。特に18年はGMARCHをめざす生徒が滑り止めの日東駒専(日本、東洋、駒沢、専修の各大学)に受からず、進路指導部の三浦智美副部長は「厳格化の影響が顕著になった」と話す。
状況は今年も同じで対策として受験校を増やすが、競争率は上がる。勢い安全志向が強まり、一般入試なら上位大学を狙える生徒が格下の大学に推薦で入る例が増えた。教育情報会社、大学通信の安田賢治常務は「入りたい大学より入れる大学を選び、挑戦意欲がそがれている」とみる。
各校での生徒さんの状況はいかがでしょうか。
やはり安全志向が高まっているのでしょうか。
本来的な進路開拓は、こんなことではないはずなのですが…
私が高校生のころ、日本史の先生がこんな話をしてくれました。
「『キンポウくずれのキンケイ』は絶対あかんぞ」
私は富山出身で、母校の進学先として金沢大学が多数を占めていました。
その金沢大学に行きたいからと、法学部を志望しながら、
学力が足りないとの理由で経済学部を受験するのはいけない、
というのがこのセリフの意味です。
(キンポウ=金大法学部、キンケイ=金大経済学部)
大学は自らの進路にあたるものだから、
大学で選ぶのではなく学部で選びなさい、という指導でした。
この言葉は当時、私の進路選択の大きな指針になりました。
大学に進むも進まぬも、進路開拓の一つに違いありません。
私学にとって進学実績が大きな広報ツールになっている現状、
本当に生徒に寄り添った進路指導をするのは至難の業、
とも言えるのかもしれません。
もう一度原点に戻って、子どもたちの進路を考えてみたいものです。
(文責:吉田)