ランキングというのは賛否両論あるところですが、
いつも人の目を引くのは事実です。
大学にも「世界大学ランキング」がありますが、発表の時期には
日本の大学は低迷している、という報道がよくなされますね。
そのランキングを発表している組織・QS社のCEOに対する
インタビュー記事がありましたのでご紹介します。
日経新聞より。
(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)
このランキングは2000年代初めに開始されたそうで、
当初、「トップ大学とは何か」について大学リーダーへのヒアリングを行い、
次の4つの必要条件を明らかにしたとのこと。
①世界水準の高度な研究(リサーチ)
②(卒業生の)雇用され得る能力(エンプロイアビリティ)
③教育(ティーチング)の質
④国際化(インターナショナライゼーション)<学生や教員が国際的な流動性を持ち、学生に国際競争力をつける教育を提供しているか>
そして、このランキングでは下表の6つの評価項目で評価がなされます。
よく似たランキングは他にもあり、日本国内ではこのQS社によるランキングは
それほど知名度が高くないそう。ただ、CEOはこう言います。
多様なランキングがあるが、影響度や信頼性で優位に立つのはQSと英タイムズ社のTHE、中国・上海交通大学のARWの3つ。3つのランキングの上位500校を見ると、317校、63%が重複する。優れた大学とされる大学はかぶさるのだ。
多少評価軸が変わっても順位はそれほど変わらない、
ということなのでしょうか。
あるいは、大学が大切にすべきことは価値観によるのではなく
絶対的なものである、ということなのでしょうか。
個人的に興味深かったのは、評価項目の中に外部関係者、
すなわち「雇用者」や「学術関係者」からどう見られているか、
というものが含まれている点です。
社会にとっての有用性やインパクトを、
教育機関は無視できないということを示しているような気がします。
インタビューの末尾はこう締められています。
高等教育分野の国際競争はますます激しくなる。高等教育のレベルが国の経済力や競争力と直結している。世界のどの国も、どの大学も、より高いレベルを目指して努力しており、年々ハードルは上がっている。順位を上げることが最終目的ではなく、変化に速く対応して競争力を上げ、国際的プレゼンスを高めることが重要なのだ。
ともすると、ライバルは国内の他大学、となりそうなところ、
いや、世界中にライバルはいますよ、との指摘。
教育機関が見据えるべきはドメスティックではなくグローバル、
なのかもしれませんね。
(文責:吉田)