教員の働き方改革がどうなっていくのか。
そんな記事が少し前の日経新聞に掲載されました。
(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)
教員の働き方改革で中央教育審議会は6日、公立校の教員の残業時間を原則「月45時間以内」とする文部科学省の指針案を了承した。ただ「深い学び」を目指す新学習指導要領への対応や部活動の運営など学校現場が抱える課題は多く、実現性は不透明。同省は細かな対策を積み重ねて改革を進める考えだが、保護者をはじめとする地域社会の支援も必要になる。
今回の指針案では、教員の時間外労働の上限目安を原則月45時間、
年360時間に設定されています。
特別な事情があっても月100時間未満、2~6カ月の月平均で80時間。
年間で720時間まで。
民間企業の働き方改革関連法にならった形です。
一方、今回の記事には気になる現場の声が掲載されています。
現場からは懐疑的な声も上がる。「働き方改革なんて、外国のことみたい」。関西地方の中学校で働く40代女性教諭は冷めた口調で言う。
2017年度、運動部の顧問を任された。朝練で午前6時45分には自宅を出て、放課後の練習や授業準備を終え、帰路に就くのは午後9時ごろ。月100時間超の残業を正直に申告すると、管理職から短く書き直すよう命じられた。
スポーツ庁が今年3月に策定した運動部活動の指針は週2日以上の休養日を設けるなどとしたが、変化はない。「長時間預かってほしいという保護者の声に応えざるを得ない面もある。今回も文科省の理想通りにはいかないのでは」。企業と違い、学校の働き方改革には地域社会の理解と支援が欠かせない。
「地域社会」とありますが、もっと直接的に言えば
「家庭」や「保護者」ということになるでしょう。
いくらしくみを整えようとも、価値観や考え方を変えないと
社会は動かない、というのは学歴偏重と同じ構造なのかもしれません。
今回の記事は公立校が念頭におかれているようですが、
仕事内容に公私の差はほとんどありません。
私学での働き方改革もまた、どのように進んでいくのか…
働く環境の整備は、将来に向けてその業界を志そうとする
若者たちの動向にも大きな影響を及ぼすことを、忘れてはなりません。
最後に、今後の施策の方向性に関する記述を引用しておきます。
働き方改革関連法には罰則があるが、答申素案は罰則の導入には「慎重であるべきだ」とした。労働時間を年単位で調整する変形労働時間制の導入も提言。文科省は導入する自治体が条例化できるよう教職員給与特別措置法(給特法)の19年度改正を目指す。
「残業代」という大きな問題が残っている、学校業界。
これからもこのニュースから目が離せそうにはありません。
(文責:吉田)