先日の日経新聞に掲載されたこの記事に感銘を受けたのでご紹介します。
(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)
企業の不正、企業経営者の不正、そしてスポーツ界の不祥事…
記事にも紹介されていますが、コンプライアンスにもとる実例は
昨今、枚挙に暇がありません。
その原因のひとつを目の前の締め付けに頼りすぎている組織ルールにあるとして、
本記事の筆者はそれとは逆のアプローチ、
「エモーショナル・コンプライアンス」を提唱されています。
「正しいことをしてスッキリした」
「顧客の役に立ち、褒められてうれしかった」
といった気持ちを引き出すことによって、
自ら正しい行動を心がけるようになる、
と筆者は書いておられます。
なるほど、ほとんどのことは「禁止」されることによって
抑圧ややりにくさを感じますが、
自らこうしよう、と思ったことについては
自然と行動に移せるものですよね。
そしてその際に重要なのが人事評価制度である、と。
ルールを破ったら減点というマイナス評価ではなく、進んで正しいことを行うことをプラスに評価すべきだ。米国の航空会社では、定時運航しただけで社員にボーナスを出すことがある。コンプライアンスと利益を両立できる方法はほかにもあるはずだ。
研修も重要だ。正しいことをすることが、どれだけ誇らしくうれしいかという感覚を、リアリティーを持って感じられる研修に切り替える。仮想現実(VR)など最新のテクノロジー活用も一案。社員にディスプレーを装着し、不正に陥りやすい状況からの切り抜け方を体験させれば、自信も持てるだろう。
教員を対象とする人事評価制度の実例はまだまだ多くないかもしれませんが、
今後導入を検討されるという学校法人さんはもちろん、
評価制度はなくとも「懲罰型」の評価思考が標準的である組織においては
ぜひともご一考いただければと思う記事です。
(文責:吉田)