一昨日、表題の答申が中教審から示されました。
今後20年を見据えたグランドデザインです。
まずはしっかりその内容を押さえておきましょう。
まずは紹介ページのリンクを貼っておきます。
2040年に向けた高等教育のグランドデザイン(答申):文部科学省
まずは本文から、本答申が示す
「高等教育改革の実現すべき方向性」
を確認しておきましょう。
・ 高等教育機関がその多様なミッションに基づき、学修者が「何を学び、身に付けることができるのか」を明確にし、学修の成果を学修者が実感できる教育を行っていること。このための多様で柔軟な教育研究体制が各高等教育機関に準備され、このような教育が行われていることを確認できる質の保証の在り方へ転換されていくこと。
・ 18 歳人口は、2040 年には、88 万人に減少し、現在の7割程度の規模となる推計が出されていることを前提に、各機関における教育の質の維持向上という観点からの規模の適正化を図った上で、社会人及び留学生の受入れ拡大が図られていくこと。
・ 地域の高等教育の規模を考える上でも、地域における高等教育のグランドデザインが議論される場が常時あり、各地域における高等教育が、地域のニーズに応えるという観点からも充実し、それぞれの高等教育機関の強みや特色を活かした連携や統合が行われていくこと。
そして、概要を転載します。
この答申のキーワードの一つは「多様性」だ、と私は思います。
学生やカリキュラムのみならず、
教育を提供する教員も、高等教育機関そのものも多様であるべし、
との提言がなされていると感じました。
そして、多様になれば中身がより分かりにくくなる、
そこで「質保証」という課題が現れます。
この点についても答申は必要性を強く説いています。
これは、教育を提供する高等教育機関のガバナンスという観点も
含んでいると考えて良さそうです。
さてこれからの高等教育機関はどんな組織になっていくのでしょうか。
浮世離れした学術研究機関、というよりも、
まるで社会の縮図がそこにあるような、
人と人との混ざり合いを私はイメージしてしまいました。
皆様はいかがでしょうか。
本日のブログの最後に、
「私立大学の役割」として書かれている箇所を引用しておきます。
私立大学については、学部学生の約8割の教育を担うなど、様々な学生に対し門戸を開き、それぞれの「建学の精神」に基づき、多様性に富み、独創的な教育研究を行う役割を担っている。また、私立大学は一部のエリートだけではなく、私立大学の教育研究の多様性によって、複雑な社会の変化に対応できるより多くの国民を育成し、一人一人の労働生産性を大幅に引き上げるため、幅広い年齢層に及ぶ中核人材の教育機会を保障し、国民の知的水準を底上げする役割がある。そのための知識・技術の創造拠点を、大学の独自性に沿って創ることも、私立大学の役割である。このため、私立大学は多様性の保持を明確にした上で、それぞれの「建学の精神」に基づき、学生/教員の比率等も踏まえた教育研究の更なる充実を図りつつ、その経営基盤の強化を図り、我が国の高等教育の中核基盤を支える方向で改革を進める必要がある。
まさに「多様性」を担保するのが私大の役割、と言わんばかりの記述です。
私学の存在意義がいよいよ問われます。
(文責:吉田)