文科省管轄法人に対して、先日こんな通知が出されました。
文科省HPより。
学校法人運営調査における経営指導の充実について(通知):文部科学省
学校法人運営調査、なるものをご存知でしょうか。
通知の全文から、一部抜粋してみます。
大学等の経営にとって極めて大きな環境の変化を迎える中,学校法人においては,経営力を一層強化し,継続的・安定的に質の高い高等教育を提供することにより,学生,保護者はもとより地域,社会の信頼と支援を得ていくことが重要です。
文部科学省では,従来より,学校法人の健全な経営の確保に資することを目的として,学校法人運営調査において,学校法人の管理運営組織,その活動状況及び財務状況等について実態を調査するとともに,必要な指導・助言を行っておりますが,上記状況を背景に,「私立大学等の振興に関する検討会議 議論のまとめ」(中略)等において,経営指導の充実の必要性に関する提言がされてきたところです。
経営指導の具体的な充実方策については,学校法人運営調査委員会及び大学設置・学校法人審議会学校法人分科会の下に設置された学校法人制度改善検討小委員会において議論いただいてきたところであり,その内容を踏まえ,平成31年度からの学校法人運営調査においては,下記のとおり経営指導の充実を図ります(後略)。
要するに、各学校法人の状況を報告してもらうための調査が学校法人運営調査で、
その内容によっては文科省が「行政指導」しますよ、
ということのようです。
ここ数年の方向性であった「規制強化」の流れに沿ったものだと感じます。
さて、どんな指導がなされるのでしょうか。
その前に、指導が入るかどうかの「基準」について確認しておきましょう。
指標値は以下の2つです。
(1)貸借対照表の「運用資産-外部負債」が直近決算でマイナス
(2)事業活動収支計算書の「経常収支差額」が直近3か年連続マイナス
ちなみに、
運用資産=特定資産・有価証券(流・固)・現金預金の合計
外部負債=借入金(短・長)・学校債・未払金(長期含む)・手形債務の合計
ですので、ご確認ください。
さて、御校はいかがでしょうか。
上記2指標に該当するようであれば、指導が入る以前に、
経営の継続という観点から黄信号が灯っていることに留意が必要です。
そして、学校法人運営調査はすべての法人が対象ではなく、
経営が厳しい学校を抽出してなされているようです。
こんなふうに書かれています。
毎年度行う学校法人運営調査の対象法人については,学校法人運営調査委員会において,財務状況,定員充足状況,過去の調査状況等を総合的に勘案して決定しているが,平成31年度からは,前回の学校法人運営調査から長期間未実施で経営指導強化指標に該当する学校法人も対象とすること。
少し長くなってしまいました。
ではどんな指導が…
という点については、日を改めてお届けします。
(文責:吉田)