進学塾・栄光ゼミナールを運営する株式会社栄光さんが、今年5月、部活動と勉強に関する実態調査を実施されたようです。
調査概要は以下の通りです。
調査対象:公立中学校に通う中学1年生~中学3年生の子ども、および公立中学校に通っていた高校1年生の子どもを持つ 栄光モニター会員(栄光ゼミナール・大学受験ナビオ・栄光の個別ビザビに通塾する保護者)
調査方法:インターネット調査
調査期間:2018 年5月9日(水)~5月 23 日(水)
回答者数:396 名(うち、運動部所属: 256 名(64.6%) 文化部所属:140 名(35.4%))
調査結果を引用いたします。
- 部活動の活動日数が週6日以上、運動部の 42.0%
- 保護者の 87.2%が、部活動の活動日数は週5日以内が適切と回答
- 部活動が勉強に良い影響を与えている、保護者の 61.5%
- 保護者の約7割が勉強と部活動を両立できていると感じている
- 部活動のデメリット、保護者の半数以上が「子どもの勉強時間が減る」
以下、それぞれの設問と回答について詳しく見ていきましょう。
まずは部活動の頻度について。
出典:株式会社栄光「部活動と勉強に関する実態調査」より
中学生の部活動の活動日数を調査したところ、運動部では42.0%、文化部では22.3%が、1週間の活動日数が「6日以上」と回答しています。
6日以上、ということは平日以外の活動も当然含むことになりますから、運動部に所属する中学生の5人に2人は土日にも部活動がある、ということですね。
ちなみに、上記結果によれば「毎日部活動がある生徒は12.4%」で、「週6日が29.6%」となっていますが、この数値は、平成29年度にスポーツ庁から出された調査結果より、休養日が増えている結果となっています(下のグラフ参照)。
出典:スポーツ庁「運動部活動の現状について」より
スポーツ庁の調査は平成29年度5月に公表されたものですので、1年足らずでわずかではありますが改善が進んだようです。
また株式会社栄光の調査では、保護者からみた場合の部活動の適切な頻度について、「週4日程度」と回答した保護者が最も多くなっています。
次いで「週5日程度」が続いており、上記と合わせますと、週5日以内が適切だと考える保護者が実に9割弱にのぼっています。
出典:株式会社栄光「部活動と勉強に関する実態調査」より
また、部活動が勉強に良い影響を与えている(与えていた) か聞いたところ、6割以上の保護者が「とても感じる」「どちらかといえば感じる」と回答しています。運動部と文化部を分けても、運動部で63.3%、文化部で58.5%の保護者が「とても感じる」「どちらかといえば感じる」と回答していますので、運動部・文化部を問わず、部活動が勉強にプラスになっているという感覚を持つ保護者が多数派であるとの結果です。
出典:株式会社栄光「部活動と勉強に関する実態調査」より
さらに、部活動と勉強の両立についても、68.3%の保護者が肯定的な回答です。こちらも運動部と文化部を比べてみますと、運動部では63.3%、文化部では76.9%の保護者が「とても感じる」「どちらかと いえば感じる」と回答していますので、相対的には文化部の方が両立できる感覚を持っている保護者が多いようですね。
出典:株式会社栄光「部活動と勉強に関する実態調査」より
アンケートの自由記述欄には、部活動と勉強の両立に関して感じる点について、以下の意見が寄せられています。
<両立できている>
・自分で自分を管理すること、そのために自分で考えて試行錯誤するよい経験ができていたと思う。
・本当にやりたい部活に入ると、部活が息抜きになる。
・部活動に入っていたおかげで体力はついたので、受験が乗り越えられたかな、と思う。
・部活が勉強(高校進学)への意欲になっている部分がある。
・規則正しい生活と協調性を学ぶことができる。これは社会人となっても大事なことだと感じる。
<両立は難しい>
・部活動以外の時間は自由に過ごしたいと思うようで、結局は遊んでしまうという悪い習慣ができてしまった。
・子供は充実した毎日を過ごし楽しい中学生活だったが、英検などの検定試験を受けに行くにも部活を休みづらい雰囲気があったので、親はやきもきしていた。
・両立するのが当たり前のことなのに、部活の顧問は部活至上主義だったため、辞めるしかなかった。
<要望・希望>
・部活動の予定が直前にしか出ないので、前もって教えてもらえると、模試の予定などがたてやすいと思った。
・なかなか文武両道は難しく、勉強しなくてはいけないのは解るけれど、時間が足りない。せめて土日祝は部活
も休みになれば、平日の足りない所を補えると思う。
どの意見もその通りであると感じました。
部活動は、生徒や保護者だけでなく学校や教職員の皆さまにとっても必要不可欠な活動のひとつであると思います。
休養日を設けることが目的ではなく、教育効果を最大化することが部活動を行う第一義であると思います。
ただ休むというだけではなく、前向きに休養日を取り入れることが望まれているのではないでしょうか。
(文責:長森)