学習指導要領改訂により、2018年度は幼稚園では全面実施に、小・中学校では移行期間に、高校では周知・徹底期間に入りました。
教育関係者の皆さまには周知の情報であると思いますが、
文部科学省公表の改訂に関するスケジュールを転記致します。
検討が始まった2014年からこの2018年まで、あっという間でした。
移行期間があるものの、2020年度は小学校で、2021年度は中学校、2022年度は高等学校と、全面実施まで、あっという間に過ぎてしまうんでしょうね。
高等学校の学習指導要領の改訂はこの3月に改訂されましたので、
改訂のポイントを転記いたします。
皆さまも今後どのようにして新課程に応じたカリキュラムにするのか、
悩ましいところではないでしょうか。
教科・科目構成の見直しにより、国語の標準単位数が増えていますし、
数学は数Cの復活と数学活用の廃止など、変更が多岐にわたっています。
個人的には、「やっぱり、数C復活するんだ」と思いました。
このカリキュラム検討は、教育のプロである皆さまに敵いませんので、
ある授業に関する事例をここではご紹介させていただきます。
新科目であり、必修化された「公共」についてのモデル授業です。
テーマは「格差と貧困」。
アクティブラーニングにために取り入れられている手法が面白いです。
「ワールドカフェ方式」と呼ばれる話し合いの手法です。
説明を引用します。
テーブルを4人程度で囲み、中央には白紙の模造紙。
筆記役が、出てきた視点やキーワードを順次メモしていく。
一定時間話すと、1人を残して他のメンバーは別のグループに分散移動して再び話し合う。
一つのグループ内の議論だけでなく、
互いのグループで出た視点を共有する狙いがある。
会議室での会議とは違い、カフェのような雰囲気から自由な発想を引き出そうと、1995年に米国で生まれ、各地で広がっている。
なるほど、これなら気兼ねなく意見を発表できるだけでなく、
さまざまな意見が模造紙に残せますし、
何よりその模造紙がプレゼン資料に早変わりするのだと思いました。
この方法は会議でも取り入れられる手法ですね。
参加された高校の教諭の感想を引用致します。
生徒同士が多様な意見に学び合う「ワールドカフェ方式」は
興味深いものだったが、約2時間を要した。
「高校の限られた時間割の中では、こんなには手間暇を掛けられない」。
旧来型の50分刻みの授業ばかりではなく、
時には90分授業や2時限連続授業もあってもいいと思うが、
そう容易ではなさそうだった。
確かにその通りですね。
限られた時間割の中では90分授業や2限連続授業にしてしまうと、
本来その時間で実施すべきことが抜け落ちてしまうかもしれないので、
どの様に進めていくべきか悩ましい所ですね。
幸いなことに高校の学習指導要領改訂全面実施まで3年あります。
この3年間を使い、よりよい教育活動を行うための準備期間としたいものですね。
(文責:長森)