学校法人にとっての課題の一つ、「施設整備」。
初期投資はもちろん、ランニングコストも含めると
その必要額は莫大です。
このたび、文科省では施設の長寿命化に関する基本的な考え方をまとめたそうです。
本日はこちらを見ていきましょう。
「国立大学法人等施設の長寿命化に向けた基本的な考え方の整理」の取りまとめについて:文部科学省
その概要はこんなスライドにまとめられています。
報告書本体を見ると、「経年25年以上の改修を要する施設の面積は874万㎡(全体の約30%)あり、今後5年で経年50年以上の改修を要する施設の面積が現在より倍増する見込み」と、これから数年で老朽化がますます深刻になるとの記載があります。
これは国立大学法人等に限ったことではなく、
生徒急増期に建築された幼・小・中・高も同様でしょう。
そして、これからの少子化進展を見据えますと、
老朽化した施設を整備する際には、
将来投資の極小化がテーマにならざるを得ません。
すなわち、施設の長寿命化についても検討することが必須と言えます。
本レポートにこのような記載があります。
○施設整備や維持管理には多額の費用が必要であることから、大学の理念や特色・強み、施設の現状、財政状況等を踏まえ、将来にわたる施設整備や維持管理に係る費用等の見通しを立てることが必要である。
その上で、施設の用途や規模等も踏まえつつ、長期的に必要となる施設と将来的に不要となる施設を峻別する等、保有施設の総量の最適化を図り、真に必要性の高いものから重点的に施設整備や維持管理を行うことが必要である。○老朽化した膨大な施設を限られた予算の中で効果的・効率的に整備していくためには、
・重点的な投資により教育研究等のニーズに対応して機能向上する施設
・主に施設の物理的な性能を維持する施設
・最小限の投資により安全性を確保する施設
に分類する等、施設整備や維持管理の範囲や内容等についてメリハリをつけることが重要である。
長寿命化を技術的に検討することはもちろん大切ですが、
その前に「計画化⇒優先順位付け」を行い、
学校施設全体として長期間にわたり活用できるものとする、
という考え方が重要なのですね。
本資料、施設整備の際には事前に目を通しておくといいでしょう。
投資の有効性を高めて、よりよい学校運営をお願いいたします。
(文責:吉田)