まずは今週金曜日の弊社セミナーですが、昨日の時点で満席となりました。
お申込みいただきました皆様、ありがとうございます。
現在、キャンセル待ちでの受付とさせていただいております。
どうかご容赦ください。
さて教職協働、という言葉をお聞きになったことがあるでしょうか。
恥ずかしながら私、耳馴染みがありませんでした。
が今回、文科省HPにこんな調査結果の報告が掲載されました。
「大学等における「教職協働」の先進的事例に係る調査」調査報告書
この報告書はなかなかのボリュームですので、
ざっとご確認いただくには「概要版」が便利です。
まずは結論から見ておきましょう。
概要版には「まとめ(先進事例の特徴)」というページが入っていますので、
そちらを引用してみます。
教職協働の方向性,事務職員像
・「提案力」「マネジメント力」「経営感覚」
・教員が大学という組織の中でチームとして働くための「つなぎ役」 教職協働の進んでいる業務分野
(1)従来の教員業務を事務職員が行うケース
(2)大学における新しい業務
(3)事務職員が行っていた業務に教員が参加 教職協働を促進する上でのポイント
・教職協働の促進する体制づくり
⇒方針決定のための会議に事務職員が参加
教職協働によるチーム編成で大学運営業務にあたる
・教職協働に関する働きかけの方法
⇒「学生のために」を軸に共有
教員には「根拠」を示すことが重要
成果を上げて信頼を得る
・事務職員の育成手法
⇒OJT(ローテーション,実践型研修),教職協働による研修の実施,社会人大学院入学
これだけを見てもあまりよく分からないところも多いですが、
今回のレポートの特徴は、実例からあるべき姿を導いているところです。
実例として、以下の各大学での取組が紹介されています。
【国立大学】
・東京大学「プロフェッショナル人材の育成・確保」
・愛媛大学「教職員が協働して研修を企画・運営」
【公立大学】
・国際教養大学「教職協働で学生に深くコミット」
・首都大学東京「管理職育成を見据えたキャリアパス」
【私立大学】
・共愛学園前橋国際大学「教職一体ガバナンス」
・桜美林大学「提案型職員が活躍できる体制に」
・芝浦工業大学「教職協働トップランナー」
・武蔵野大学「全学プロジェクトを教職協働で実施」
・早稲田大学「プロジェクト型研修によるマネジメント力開発」
・日本福祉大学「経営と教学をつなぎ,意思決定を支援」
・立命館大学「事務職員の計画的力量形成と全学意思決定への事務職員の参画」
・追手門学院大学「アサーティブプログラム・アサーティブ入試」
・森ノ宮医療大学「経営的視点をもつ教職員の育成」
【参考事例】
・ある事務職員の教職協働に関する事例(愛知教育大学)
実例を個別に見ていきますと、「教職協働推進のポイント」が書かれています。
その中には、
- 事務職員主体での意思決定に抵抗がある教員もいる
- 事務職員が実力をつけることが重要。教員から見て「彼・彼女に任せておけば大丈夫だ」と思ってもらうことが必要
- 話し合いのルール作りを行うこともある。例えば「相手を否定しない」「建設的な意見を言う」など
- 教員の思考法(仮説を立てて実証・検証する)を理解し,事務職員側も,物事を進める際は根拠となるデータを提示して教員の理解を促すことが重要
といったコメントが見られ、教員と職員の協働には壁があるケースが多い一方で、
それを打破するための様々な工夫も見られます。
病院では医師と事務職の間に溝があるケースが多いように、
学校でも教員と職員の間にいろいろな隔たりがあることも多いものです。
しかしながら、学校法人の存在意義はあくまでも
「子どもたち」「家庭」「地域」「社会」
といった、組織外部とのかかわりや繋がりの中にあるはずです。
とすれば、その目的に向かって組織が一丸となることは必要不可欠。
教職協働、という意識が大学のみならず高等学校等にも広がっていくことを
強く願っております。
(文責:吉田)