新年度が始まりましたので、文部科学省関連の税制についても
ざっと見ておきましょう。
特筆すべきものは見当たらない、というのが正直な感想です。
一応、項目を列挙しておきます。
要望が認められたもの
(1)独立行政法人日本学生支援機構に係る指定寄附金の給付型奨学金への対象拡充【法人税等】
(2)国立大学法人等に対する評価性資産寄附へのみなし譲渡所得税の非課税承認を受けるための要件の緩和等(内閣府・厚生労働省との共同要望)【所得税等】
(3)国民の健康の観点からたばこの消費を抑制することを目的とした、たばこ税の税率の引上げ(厚生労働省との共同要望)【たばこ税等】
(4)2019 年ラグビーワールドカップ大会の開催に向けた税制上の所要の措置【法人税等】
(5)美術品・文化財に係る相続税の納税猶予の特例の創設【相続税】
(6)障害者に対応した劇場・音楽堂等の固定資産税等の特例の創設【固定資産税等】(参考)その他要望していたもの
○ ゴルフ場利用税の廃止【ゴルフ場利用税】
○ 2020 年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向けた税制上の所要の措置【所得税等】
○ 私立学校等への寄附に係る寄附金控除の年末調整対象化【所得税等】
こうやって見てみると、寄付金にかかる税制が変化していることが分かりますね。
上記(1)(2)の概要を以下に示しておきます。
寄付に関する環境整備がなされれば、
寄付しようとする個人、法人が増えること、あるいは
寄付している個人や法人がさらなる寄附をしようとする動機づけになることが
期待されます。
国家財政の逼迫が根底にあるのか、どうやら文科省は
私学への補助を寄付に変えていきたいという意向を持っているように感じます。
各私学でも、収入確保策として寄付金について正面から検討する必要が
出てきつつあるのではないでしょうか。
ちなみに、今回は通りませんでしたが、
「私立学校等への寄附に係る寄附金控除の年末調整対象化」
も要望に挙がっていますね。
確定申告の手間を考えれば、これはひとつの寄付促進策になるものと思います。
以上、税制改正の内容を概観いたしました。
寄付の話ばかりになってしまいましたがご容赦ください。
(文責:吉田)