中小企業診断士、という資格をご存知でしょうか。
その名の通り、中小企業の経営診断を行う資格なのですが、
いわゆるコンサルタントの唯一の国家資格、などと言われることもあります。
私もその端くれなのですが、地味?な存在である中小企業診断士の仲間たちには
やはりその道のプロとして研鑽されている方がたくさんおられます。
東京都中小企業診断士協会中央支部にはとても立派なHPがあり、
そこには定期的に診断士からの寄稿文が掲載されます。
時間を見つけてはそこを覗くようにしているのですが、
先日も共感できる内容のコラムを発見しました。
先日もこのブログで副業のことを採り上げたのですが、私自身、
うまく自分の言葉で語ることができませんでした。
その点、このコラムはとても読みやすく、提言も明確です。
副業が解禁され、その方法に制約はあるものの、
副業には労働者と雇用者の双方にメリットがある。
しかしながら…という文脈で、山崎先生の提言が始まります。
以下、提言部分だけ引用させていただきます。
ただ、夢のような副業ばかりではないでしょうし、急に副業OKと言われても、誰もが飛びつくことは考えにくいのが現状だと思います。
であれば実際に副業を始めなくても、働き方を考えるきっかけとして捉えていくことはできないでしょうか。例えば、シニア世代の入り口の50歳前後の人たちであれば、60歳あるいは65歳での定年を前にして今後の働き方を見つめ直す時期かもしれません。おそらくこの世代であればもし他にやりたい仕事があったとしても、転職となればハードルは高いですし、また退職金を考えてもおそらく定年まで今の職場に留まる可能性が高いでしょう。今さら転職という選択は現実的ではないと思われますが、まだまだ定年後の人生は長くなっています。経済的にも生きがいとしても働くことが必要であるならば、定年までの準備期間として、これまでの社会人としてのキャリアを振り返り、副業であれば自分がやりたいこと、自分にできることを一度じっくり検討してみることで、働き方を見つめ直すのもよいかもしれません。
副業が浸透するには、社会としてまだまだ制度的な課題があり、時間がかかると考えられます。労働者自身も企業も慎重に検討しつつ、少しずつこれからの働き方を考えるきっかけになればと思います。
政策的に定年延長が検討される中で、雇う側には雇用リスクが発生します。
一方、働く側には勤め上げた後の人生設計を考える必要があります。
副業がリスクを緩和させ、定年後の人生を豊かにするのであれば、
それに越したことはありません。
私学においても定年をめぐる人事制度は今後、
大きな経営課題になることが考えられます。
(すでに経営課題になっている、と言ってもいいかもしれません)
「副業」を絡めながら、労使双方の最適解が見つかれば、と願う次第です。
(文責:吉田)