寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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私立高校 2割に労基署の指導・勧告

学校現場の残業、多いですよね。

3月も中旬になり、少しは落ち着いてきたのかもしれませんが、

それでも大変な状況であることには変わりはないでしょう。

頭が下がります。

 

さて私立学校での労働環境について、

名古屋大学の内田先生が記事を書いておられるのを見つけました。

news.yahoo.co.jp

 

記事のポイントを以下に再掲しましょう。

 

■私立校と公立校の類似性

 私立校は各校の独自色が強いとはいえ、その教育活動は、基本的に公立校に準じておこなわれている。

 この公立校に準じた働き方を採用しているという状況が、結果的に、私立校における労働基準法違反の事態を招いている

 

■出退勤の管理方法:帰りは「確認しない」

 出勤の管理方法において、突出して回答が多かったのは、「出勤簿に押印(出勤時刻の記入なし)」(62.7%)である。出勤時刻は記入されないのであるから、この「押印」という営みは、たんに「学校にいます」ということ以上の意味をもたない

 また退勤の把握方法において最多であったのは、「確認しない」(32.5%)である。おおよそ3校に1校では、教員がいつ帰路についたかがわからないのだ。

 

■残業代の取り扱い:月給4%の定額支給

 同調査を見てみると、時間外労働分の割増賃金を支払うかたちの「1. 法定の時間外手当を支給している」は、12.1%のみである。多かった回答は、「3. 教職調整額を既払残業代とみなし、その他は一切支給していない」(24.2%)と「5. 教職調整額+『4』(=定額の業務手当)を支給している」(29.4%)である。

 私立校も公立校も、残業時間を厳密に数えるのではなく、おおむね4%分を与えてあとは時間管理しないという状況である。出退勤の管理方法と同じように、残業代の取り扱いにおいても、労務管理の考えが希薄である。

 

労働基準監督署からの指導・是正勧告

 私立校には労働基準監督署からの立入調査がありうる。調査対象となった私立高校のなかでは、約4分の1(25.7%)の学校が、実際に勤務時間管理に関して労基署の立入調査を受けている。さらに、指導を受けたのが10.3%、是正勧告まで受けたのが8.5%と、おおよそ約2割の学校で労基署から何らかの業務改善の要望があったということである。

以上、現況については以前のブログや弊社セミナーでもお伝えし、

勤務時間管理の必要性について考察を深めたところではありますが、

その後、各校での取組が進んでいるかと言えば…

必ずしもそうではないでしょう。

 

ご承知の通り、労基署による調査で法令違反が発覚すれば、

当然その是正を迫られることとなります。

働き方を急激に変化させることが難しいとすれば、

そのような調査が入るより前に、少しずつの改善を積み重ねることが

学校運営の円滑化に資するはずです。

 

改善の第1歩は「勤務時間の記録」です。

出勤時刻と退勤時刻を記録するところから始めましょう。

大がかりなシステムを導入せずとも、これは可能です。

年度末が迫る中ではありますが、ぜひともご検討いただきたいと思います。

 

(文責:吉田)

www.ysmc.co.jp