少し前になりますが、学校の運動部活動に関するスポーツ庁の検討会議において、
教員の過大な勤務時間抑制などに向けた総合的なガイドラインが示されました。
こちらの中で触れられているのが、「適切な休養日の設定」です。
ガイドラインを引用致します。
・学期中は、週当たり2日以上の休養日を設ける。
(平日は少なくとも1日、土曜日及び日曜日(以下「週末」という。)は少なくとも1日以上を休養日とする。
週末に大会参加等で活動した場合は、休養日を他の日に振替える。)
・ 長期休業中は、学期中の休養日の設定に準じた扱いを行う。
また、生徒が十分な休養をとることができるとともに、
部活動以外にも多様な活動を行うことができるよう、
ある程度長期の休養期間(オフシーズン)を設ける。
・ 1日の活動時間は、長くとも平日では2時間程度、
学校の休業日(学期中の週末を含む)は3時間程度とし、
できるだけ短時間に、合理的でかつ効率的・効果的な活動を行う。
とあります。具体的な基準が出てきましたね。
今後はこの基準を踏まえて、全国の教育委員会や学校法人に
休養日を明記した「運動部活動の方針」を作ってもらうとのことです。
2017年の全国調査では休養日を週1日だけとしていた中学校が
全国で5割を超えており、中には休養日を設けていないケースもあったそうです。
なかなかのハードワークですね。
ハードワークといえば、プロ野球選手は1週間に6試合します。
試合がない日もほとんどの場合が移動日なので、
シーズン中は実質休み無しかもしれません。
しかも秋季キャンプ・春季キャンプがあり、何もしていない日は
年間を通じても数日ではないでしょうか。
また、平昌オリンピックのフィギュアスケートで銀メダルを獲得した宇野選手も
1週間で30時間以上の練習をするそうです。
そう思うと、プロスポーツ選手は凄いなぁと、改めて感じます。
自分に置き換えたらとてもじゃないけどこなせそうにありません(笑)。
もちろんプロを目指す生徒・児童のため、部活動は大切だと思います。
しかし、スポーツ選手になるということは
さまざまな選択肢の一つに過ぎませんし、
何より怪我をしてしまっては本末転倒です。
今回のガイドラインにも
・生徒がスポーツを楽しむことで運動習慣の確立等を図り、
生涯にわたって心身の健康を保持増進し、
豊かなスポーツライフを実現するための資質・能力の育成を図ること
・ 生徒の自主的、自発的な参加により行われ、
学校教育の一環として教育課程との関連を図り、効果的に取り組むこと
・運動部顧問は、技能や記録の向上といった
生徒の目標が達成できるよう、
各競技種目の特性を踏まえた
科学的トレーニングを積極的に導入し、
適切な休養を取りながら、
短時間で効果が得られる活動を実施する。
・運動部顧問は、運動部活動の指導において、
生徒の安全・安心の確保を徹底する
(安全点検の徹底、スポーツ障害・バーンアウトの予防、
体罰の根絶、女子への指導に係る正しい理解等)。
といった指針が掲げられています。
ここまでの指導が要求されるなら、学校の範疇を超えている気もしますが…
今はまだ骨子の段階ですが、働き方改革の一環として、
部活動改革も差し迫った課題です。
今回のガイドラインを参考に部活動を見直してみてはいかがでしょう。
(文責:長森)