寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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私学共済制度の在り方等に関する調査研究協力者会議

文部科学省HPにこのような記事が出ていました。

 

私学共済制度の在り方等に関する調査研究協力者会議(第2回) 議事要旨:文部科学省

 

昨年11月に開催された会議ですので、既にかなりの時間が経過しています。

議事録も数行のみ、配布資料も題名しか記載されておらず、

その詳細を知ることもできません。

 

この会議は2017年4月から開始されたもので、その主旨は以下の通りです。

 

私学共済制度全般に関する諸課題に対応するため、その在り方及び関連する諸制度等について調査研究を行う。

 

…かなりざっくりしていますね。

 

想像するに、年金全体についての制度、財源が将来を見据え

かなり厳しさを増す中で、私学共済もその制度設計や運用について

再検討が必要になった、といったところでしょうか。

国内に存在している各種の年金制度を一本化していこうという流れの中で、

私学共済も一定の影響を受けることになるのでしょうね。

 

年金の話題を聞くと、私が同時に思い浮かべるのが「退職金」のことです。

 

現在、私学は雇用している教職員に対する退職金を、

外部団体への積立・運用によって賄っているケースが多いですよね。

そして、多くの私学では退職金水準は決して低くなく、

金額や支給率の観点から見た場合には上場企業並みのものが

制度上担保されている、ということが多いように思います。

 

一方で、それだけの退職金支払が法人経営を圧迫している事例も

少なからず目にします。

退職金は既往の労働に対する対価の一部であるとの説明がなされることも多く、

急にその金額や支給率を減じることは労働者保護の観点から困難である、

との判断がなされることも。

つまり、退職金の支給水準が世間水準に比して高くても、

それを急に引き下げることはなかなかできない、ということになります。

 

そして、そのお金は外部団体への積立によって賄っているとすれば、

仮にその外部団体の資金運用がうまくいかなかった場合、

例えば掛金の増加や支払額の削減など、

学校法人にとって好ましくない事情が発生することになります。

 

あまり想像したくないことではありますが、

退職金を払う時期が近づいてからこのようなことが起これば、

たちまち学校の財政は行き詰ってしまう、かもしれません。

退職金は資金繰りに大きな影響を及ぼすほどの金額水準ですから、

予めその資金計画を綿密に立てておかねばならないでしょう。

 

御校ではそのような備えはなされていますか?

学校法人が中長期を見据えて最低限計画すべきことは

・投資(修繕)計画…施設設備関連の投資を「いつ」「いくら」見込むのか

・資金計画…上記投資に加え人件費、特に退職金に係る資金繰りに問題はないか

の2つでしょう。

 

私学共済もその一つではありますが、

退職金を含め、積立(運用)先である外部団体の経営状態も把握しながら、

自法人の中長期の資金計画を立案頂ければと思います。

 

(文責:吉田)

www.ysmc.co.jp