厚生労働省HPに統計資料が掲載されました。
最新の賃上げ状況について、ざっと概要を見ておくことにしましょう。
1 賃金の改定の実施状況
全企業における平成29年中における賃金の改定の実施状況(9~12月予定を含む。)
「1人平均賃金を引き上げた・引き上げる」は87.8%(前年86.7%)
「1人平均賃金を引き下げた・引き下げる」は0.2%(同0.8%)
「賃金の改定を実施しない」は6.3%(同7.1%)
前年よりも賃金水準は上昇しているようです。
ちなみに、「教育,学習支援業」では、「1人平均賃金を引き上げた・引き上げる」は84.7%(前年83.6%)で、全業種平均をやや下回っていますね。
2 賃金の改定額及び改定率
平成29年中に賃金の改定を実施し又は予定していて額も決定している企業及び賃金の改定を実施しない企業について、賃金の改定状況(9~12月予定を含む。)をみると、
・「1人平均賃金の改定額」は5,627円(前年5,176円)
・「1人平均賃金の改定率」は2.0%(同1.9%)
同改定状況について企業規模別にみると、「1人平均賃金の改定額」は、
・5,000人以上の企業で6,896円(同5,683円)
・1,000~4,999人で5,186円(同5,434円)
・300~999人で5,916円(同5,319円)
・100~299人で4,847円(同4,482円)
念のため、「賃金改定」は定期昇給とベースアップの両方を含んでいますので、その前提でご確認くださいね。
3 定期昇給制度、ベースアップ等の実施状況
(1) 定期昇給制度の有無及び実施状況
平成29年中に賃金の改定を実施し又は予定している企業及び賃金の改定を実施しない企業について、管理職の定期昇給(以下「定昇」という。)制度の有無をみると、
・「定昇制度あり」が75.9%(前年73.9%)
・「定昇制度なし」が21.9%(同24.1%)
「定昇制度あり」の定昇の実施状況をみると、
・「行った・行う」が69.0%(同68.1%)
・「行わなかった・行わない」が6.3%(同5.0%)
一方、一般職では、
・「定昇制度あり」が82.8%(同82.2%)
・「定昇制度なし」が14.9%(同16.1%)
「定昇制度あり」の定昇の実施状況をみると、
・「行った・行う」が77.5%(同78.4%)
・「行わなかった・行わない」が5.0%(同3.3%)
私学においてはほとんどが定昇制度あり、だと思うのですが、
一般企業においては規模の大きめの企業に限っても、
2割程度が定昇制度を持っていないことが分かります。
そして、景気がいいと言われている昨今ではありますが、
定昇の制度があっても実施したのは全体の7~8割弱、という状況です。
5 賃金の改定事情
平成29年中に賃金の改定を実施し又は予定していて額も決定している企業について、賃金の改定の決定に当たり最も重視した要素をみると、
「企業の業績」が55.0%(前年51.4%)
「労働力の確保・定着」が8.7%(同11.0%)
「世間相場」が5.1%(同4.2%)
企業規模別にみると、すべての規模で「企業の業績」が最も多くなっている。
業績重視、が圧倒的です。当然と言えば当然、ではありますが…
以上、概要のみ確認してまいりましたがいかがでしょうか。
将来を見据えた賃金制度について、御校でもぜひご検討ください。
(文責:吉田)