スポーツ庁は11月17日に実施された第4回「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン作成検討会議」の配布資料を公開しました。
運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン作成検討会議(第4回) 配付資料:スポーツ庁
公開された資料の中に、平成29年度「運動部活動等に関する実態調査」の集計結果がありますので、本日はその一部をご紹介いたします。
まずは調査の概要です。
1.調査の目的
生徒の健全な成長の促進や教員の業務負担軽減の観点から、運動部活動の運営の適正化
に向けて検討を行うため、運動部活動等の活動実態や教員、生徒、保護者等の意識を把握する。
2 調査期間
平成29年7月3日(月)~20日(木)
3 調査対象校
スポーツ庁が算出した以下の調査対象校数について、各都道府県において無作為抽出。
公立中学校……1県(都道府)当たり9校(小規模校4、中規模校4、大規模校1)
公立高等学校…1県(都道府)当たり6校(普通高校5、専門高校1)
私立学校…中学校・高等学校それぞれ、公立・私立の設置割合及び都道府県別の設置割合に基づき各県の調査対象校数を算出。
昨今、何かと話題になることが多い部活動ですが、やはり各学校では様々な悩みを抱えておられるようです。
まずは私立学校の校長の部活動に関する主な悩みは次のような結果になっています。
・顧問教員の負担軽減 ・・・ 中:62.5% 高:76.0%
・顧問の不足 ・・・ 中:59.4% 高:50.0%
やはり多くの校長が顧問教員の負担軽減を悩みとして挙げています。また、半数程度の校長が顧問の不足も悩みとして挙げていることから、これまでの部活動の在り方を前提とした考え方では抜本的な解消が困難であることを物語っているようにも思います。
一方、運動部の主担当顧問教員の部活動に関する主な悩みは次のような結果になっています。
・校務が忙しくて思うように指導できない ・・・ 中:59.7% 高:47.3%
・校務と部活動の両立に限界を感じる ・・・ 中:45.6% 高:38.7%
・自身の心身の疲労、休息不足 ・・・ 中:38.9% 高:36.1%
・自身の指導力不足 ・・・ 中:39.6% 高:32.6%
こちらも概ね予想通りの結果といったところかと思いますが、4割程度の顧問教員が「校務と部活動の両立に限界を感じる」と回答しているのが気になります。
学校に限らず、働く上で「限界を感じる」というのはどこかに無理が生じているということであり、その状況が黙認されてしまうことにより、学校の場合では授業の質の低下や教員の過労を招きかねません。
スポーツ庁がどのようなガイドラインを策定するかは注目ですが、各学校においても部活動の在り方についてはゼロベースで考え直す時期にきているのではないかと思います。
(文責:木村)