毎年のように台風被害が発生する日本列島。
今年は弊社が関わるお客様にも被害が多く出てしまいました。
学校における施設の重要性は今さら言うまでもありません。
特に私学においては、その施設をどのように整備していくかが
教育活動と学校経営の両面から非常に大きな課題になることが多いですよね。
そんな折、こんな情報を見つけました。
文部科学省HPより。
国立大学法人等施設の長寿命化に向けたライフサイクルの最適化に関する検討会について:文部科学省
この記事には、検討会の趣旨として以下の通り記載されています。
国立大学法人等は,社会変革のエンジンとして知の創出機能を最大化するため,学問の進展やイノベーション創出などに最大限貢献できる組織へ自ら転換するとともに,経営的視点で大学運営を行い経営力を強化することが求められている。
一方,国立大学法人等施設は,既存施設を有効活用しながら施設の長寿命化によりトータルコストの縮減等が求められているが,老朽化が進行し安全面,機能面,経営面で大きな課題を抱えている。
このことから,適切に施設の長寿命化を図ることにより,教育研究機能の向上と経営基盤の強化を図るため,施設の長寿命化に向けたライフサイクルの基本的な考え方や具体的な方策に関する検討を行う。
「私立学校法人」と読み替えてみてください。
おそらく、すんなり読めることに気が付かれることでしょう。
学校である以上、教育機関として、
質の高い教育の実践が求められることは言うまでもありません。
一方で、経営面からは、限られた経営資源の中で、
望ましい教育環境を保持していくこともまた強く求められます。
例えば学校の校舎は、1棟で億単位の支出を伴う、
大規模な投資案件です。
ですから、何十年に一度しか完全リニューアルは難しく、
そのための資金留保を着実に進めていく必要があります。
一方で、校舎が老朽化、陳腐化すると、安全面が脅かされるという
非常に大きな問題を引き起こすと同時に、
自校が実践しようとする教育活動にも支障をきたす、
という危険が付きまといます。
学校には通常、ある程度の現預金が手元に存在しています。
これは、授業料等が毎年・毎期、入ってくるからです。
一方で、大規模支出は数年から数十年に一度しかやってきません。
ですから、ほとんどの年度においては
資金収入>資金支出
を達成することはそれほど難しくありません。
つまり、目の前の資金繰りに窮するというケースは
学校の場合、それほど多くはないわけです。
だからこそ、投資のためのお金をストックし続けていく、
ということは相当程度意識しておかないといけません。
ある時に施設設備を更新しようと思ったら、そんなお金はない、
という話になりかねないのです。
このために投資計画と資金計画が必要になる、
というわけですね。
時に自然災害によって思わぬ支出が必要になる…それが学校です。
災害列島であるこの国に存在する私学においては、
ある程度の事態には自力で対応できることが求められます。
施設の耐用年数を延ばすことへの取組、
そしてその維持と更新が適切に進んでいくということ。
これらが実現できる学校法人さんが増えることを願っております。
(文責:吉田)