東京都教育委員会が都内公立学校教員の勤務実態調査を行い、このほど結果の速報値を公表いたしました。
調査結果の主なポイントは以下のとおりです。
- 教諭(主幹教諭・指導教諭・主任教諭を含む。)の平日1日当たりの在校時間は、中学校が最も長く、続く小学校においても、11時間を超えている。副校長については、いずれの校種においても、12時間を超えている。
- 教諭(主幹教諭・指導教諭・主任教諭を含む。)の1週間当たりの在校時間は、週60時間を超えている者が、小学校37.4%、中学校68.2%、高等学校で31.9%、特別支援学校43.5%である。
- 副校長の1週間当たりの在校時間は、週60時間を超えている者が、小学校84.6%、中学校78.6%、高等学校58.3%、特別支援学校86.7%である。
この調査で私が注目したのは、結果ではなく、調査の目的と内容です。
まず、この調査の目的は以下のように記載されています。
「学校における働き方改革プラン(仮称)」の策定に当たり、都内公立学校教員の勤務実態を正確に把握するため
そして、調査内容は以下のとおりです。
- 部活動、校務運営、勤務実態及び仕事に対する意識等についてアンケートを実施
- 月曜日から日曜日まで連続した7日間の業務を記録
文部科学省の2016年度の教員勤務実態調査(速報値)によると、ICTやタイムカードで教員の労働時間を管理している学校は全体の2割強しかないという結果でした。
教員の労働時間管理ができていないということは、それぞれの教員がどの校務にどれだけの時間を費やしたかを把握できない状況にあるということになります。
これでは、具体的に何をどのように改善すれば長時間労働が是正されるのかが全く明確になりません。
この調査結果をもとに、今後どのような取り組みが行われるかはまだわかりませんが、まずは現状をしっかりと把握することはとても意義のあることだと思います。
長時間労働でお悩みの場合であれば、課題をあぶり出すためにも、まずは現状把握から始めてみてはいかがでしょうか。
(文責:木村)