大学入試センターは、11月13日より実施される大学入学共通テスト導入に向けた試行調査(プレテスト)に先立ち、10月31日に記述式問題の自己採点の参考動画とワークシートを公開しました。
こちらは記述式問題の自己採点について、手順の参考となるものを示してほしいという声を受け、用意されたものです。
大学入学共通テスト導入に向けた試行調査(プレテスト)は、全国約1,900校の高等学校および中等教育学校を対象に、11月13日~24日の日程で実施されます。
参考動画とワークシートが公開されたのは、記述式問題が出題される国語と数学I・数学A。動画は試行調査(プレテスト)を受ける高校生たちに向けたもので、視聴時間は国語が18分44秒、数学I・数学Aが17分23秒となっています。
動画のなかでも、なぜ「試行調査(プレテスト)」を実施するのか、という点に触れられていますが、新しいタイプの問題を出題することで全国的な状況を分析して、2021年1月から開始される新テストの仕組みに生かすとのことです。
記述式自己採点についてもまとまられており、
数学の自己採点のポイントとしては
1.自分の解答を問題冊子に残しておく
2.正答の条件を確認
3.自己採点の結果を判断
の3点が挙げられており、
国語の自己採点のポイントとしては
1.自分の解答を問題冊子の下書き欄に残しておく
2.正答の条件を確認
3.どの類型にあてはまるかを判断
の3点が挙げられています。
手順の参考となるものを示してほしいとの声を受け作成されたにも関わらず、どちらの動画の再生回数も、試行調査(プレテスト)に参加する学校数にも及ばない回数です。
そもそも、今回の大学入試制度改革の目的は
高大接続改革の理念と経緯に基づき、少子化・国際競争の進展の中で、大学教育の質的転換(しっかりと学ぶ大学教育へ)すること
であったはずです。
文部科学省 高大接続改革プロジェクトチームでは
学力の3要素を以下のように定義しています。
①知識・技能の確実な修得
②(①を基とした)思考力、判断力、表現力
③主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度
この3要素を多面的に評価することが今回の大学入学者選抜には求められています。
そのためには、中・高等学校教育もともに変わらなければなりません。
より良い教育改革とするためにも全国の学校とともに積極的な参加をしていただきたいと思います。
試行調査(プレテスト)では、国語と数学I・数学Aの記述式問題として、それぞれ小問3問が出題されます。
解答時間はマーク式も含めて、国語が100分、数学I・数学Aが70分。問題内容は、全体の正答率などの速報値とともに12月上旬に公表される予定です。
今回の入試制度改革により、日本が国際競争力があり、新たな価値を創造できる人材を育成できるような教育プログラムとなるように期待しています。
(文責:長森)