寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

校長「引っ張る」系、教員は長時間労働に

リーダーシップとは?

マネジメントとは?

 

そんな問いが生まれそうな記事を見つけました。

朝日新聞より。

 

www.asahi.com

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この記事はこう始まります。

校長が自ら教職員を引っ張るタイプだと、教員の勤務時間が長くなる――。こんな傾向が、早稲田大学菊地栄治教授(教育社会学)の調査で明らかになった。文部科学省は校長のマネジメント能力の大切さを強調してきたが、「トップダウンの学校運営が、教員を疲れさせる一因になっているのでは」と菊地教授は見る

ふむふむ。

もうちょっと読み進めてみましょうか。

 校長が「自ら教職員を引っ張っていくタイプかどうか」という質問について、校長自身に「とてもあてはまる」「ややあてはまる」「あまりあてはまらない」「まったくあてはまらない」の4択で聞いたところ、「とても」「やや」の合計は60%で、これらの学校では教員の平日の平均勤務時間が11時間30分だった。一方、「あまり」「まったく」と答えた校長の学校は11時間11分で、19分短かった。「あてはまる」学校の方が、1週間に換算すると勤務時間が1時間30分余、1カ月で6時間以上長くなる計算になる

さらに、記事の末尾付近もご覧いただきましょう。

「校長のリーダーシップ発揮は、教育改革で進められてきた方向だ。文科省は教員の働き方改革に取り組んでいるが、教育改革の方向も検討する必要がある」と菊地教授は話す。

 

このニュース、ご覧になった皆様の印象はいかがでしょうか。

学校にマネジメントはむしろ有害である、

という結論にたどり着きそうな書かれ方ですが、

果たしてそうでしょうか。

 

まず、リーダーシップとは「引っ張っていくこと」なのでしょうか?

 

確かに、文科省が勧めているリーダーシップは

いわゆるトップダウン型のものであるとも捉えられますが、

実際に学校でリーダーシップを発揮しようとする場合、

必ずしもトップダウン型を志向するのではなく、

いわゆる「サーバントリーダーシップ」、すなわち

下から支えるリーダーシップという形がしっくりくると私は感じます。

近時、経営課題が多様化する中では、

支配型のリーダーシップが功を奏することはむしろ少なく、

一般企業においてもサーバントリーダーシップが有効であるとの

議論が有力になってきています。

 

そして、管理職によるマネジメントについても、

ほぼ同様のことが言えます。

 

つまり、マネジメントと聞いて「がんじがらめの管理」を想定すると

それは望ましくないものとなりがちですが、

マネジメントとはむしろ「現場に活力を与えるもの」であり、

職務環境を整えるためになされることであるはずです。

 

学校経営にリーダーシップが不要だとは思えません。

当然、マネジメントも必要です。

ただ、その理想形は学校ごとにしっかりと考える必要があります。

リーダーシップのあるべき姿について、

マネジメントのあるべき姿について、

御校なりの答えが見つかることを祈っております。

 

(文責:吉田)

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