寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

教員の退職を考える

先日訪問した幼稚園で耳にしたことです。

 

「本年度に入ってから、3名の専任教員が退職しまして…」

 

年度途中の退職。しかも3名も。すべてクラス担任、とのことでした。

 

別の先生がおっしゃるには、

「他園では5名退職されたそうなので、ウチはまだましな方ですよ」

 

…言葉を失ってしまいました。

 

近年、年度途中で退職される教員さんが増えているように思います。

インターネットで検索しても、退職を考えておられる教員さんは

幼稚園に限らず、小中高でもたくさんいらっしゃるようです。 

新規採用した教員が休職・退職されるケースが特に多いようにも思いますが、

中堅やベテランの方々も、体調を崩されるなどして

職を離れざるを得なくなることを多く見聞きしています。

 

先日来、このブログでも「学校での働き方改革」について

いろいろと書かせていただいております。

教育現場の労働環境は決して褒められたものではない、どころか、

長時間労働やハラスメントなど、問題が山積しているのが現状です。

 

先ほどの事例も、離職の理由は明らかではありませんが、

何らかの形で勤務に無理をきたしてしまった、ということなのでしょう。

夢を抱いて教育業界に来て下さったであろうと考えると

何とも残念なことです。

 

そんなとき、このような記事を目にしました。

朝日新聞より。

www.asahi.com

(記事全文を読むには会員登録が必要です。ご容赦ください)

 

この施策、教員就職率の向上を目指して、ということのようなのですが、

離職率を下げるにも何らかの手立てが必要な気がします。

教育現場の喜びや厳しさを、学生時代に知っておくことは

きっと無駄ではないだろうと感じます。

 

加えて、私が個人的に感じるのは、

 1. 学校という職場自体の環境整備

 2. 職業人としての意識と資質の向上

が重要なのではないか、ということです。

 

前者は働き方改革でも言われている内容ですのでさておき、

後者も学校では欠けていることが多いように思います。

 

職業人というものは、持ち場に就けば1年目でもベテランでも、

必ず「プロフェッショナル」です。

そのことを、学校教職員も理解して業務遂行する必要があります。

これは何も授業力といった専門性のみならず、

休暇の取り方や他の教職員への配慮といったことも当然含みます。

教育技術に関する研修への参加、あるいは開催にはそれほど抵抗感はなくても、

人間力を高める研修や社会人力を高める研修が学校において実施されている、

あるいは外部研修に参加されている学校関係者はそれほど多いようには思えません。

 

仕事とは何なのか。職業倫理とは何なのか。

さらには、仲間とは何なのか。組織とは、目標とは何なのか。

こういった基本的ともいえる事柄が、

学校現場において軽視されてしまってはいないでしょうか。

これらは退職に追い込まれる側のみならず、いやむしろ、

継続して勤務している教職員に理解や行動が求められるものです。

退職者が多く出てしまった職場においては、

特に真剣に考えていただきたいテーマです。

 

(文責:吉田)

www.ysmc.co.jp