先日お伝えした標記調査結果、本日はその続編です。
再度、リンクを貼っておきます。
学校教員統計調査-平成28年度(中間報告)結果の概要-:文部科学省
まずは「平均勤務年数」について。
平均勤務年数を学校種別にみると,最も短いのは幼保連携型認定こども園 5.1 年で,最も長いのは高等学校 18.7 年となっている。また,前回と比べると,幼稚園,中等教育学校及び専修学校において長くなっている。
幼稚園、こども園は勤続年数が短めですね。
逆に言えば、これらの学校種においては勤続年数を長期化させることが
ひとつの大きな経営課題である、とも言えそうです。
次に「週当たり教科等担任授業時数」について。
一週間当たりの教科等担任授業時数をみると,小学校 18.6 時間,中学校 14.7 時間,高等学校 13.6 時間となっている。
えっ、そんなに少ないの?と思われた方、いらっしゃいますよね。
私もちょっと驚いたのですが、その理由は、この数値には
「校長,養護教諭等を含む。また,授業担任のない教員も含む」こと。
注釈にそのように書かれていたため、さらに読み進めてみると、
授業担任ありのみの数値は
小学校:23.7時間 中学校:17.5時間 高等学校:15.1時間
となっていました。
国公私立の別にみると、公立の持ち時間数が多いようですね。
さらに、とても気になる「平均給料月額」について。
平成 28 年9月の1か月分の平均給料月額(本俸のみ。諸手当及び調整額を除く。)
は次のようになっています。
・幼稚園: 22 万3千円(平均年齢 36.3 歳)
・幼保連携型認定こども園: 20 万2千円(平均年齢 36.3 歳)
・小学校: 33 万6千円(同 43.4 歳)
・中学校: 34 万6千円(同 43.8 歳)
・高等学校: 36 万3千円(同 45.4歳)
・専修学校: 30 万円(同 46.1 歳)
前回調査(平成25年度)に比べると、専修学校を除いて金額は上がっています。
そして、国公私立の差は、小・中・高は私立が最も高い水準になっているのに対し、
同じ学校法人とはいえ、人件費の状況は学校種によって大きく異なっているようです。
最後に、「本務教員の採用・転入・離職の状況」について。
調査対象は「平成 27 年度間(平成 27 年4月1日から 28 年3月 31 日までの間)」で、以下の記述で「前回」とあるのは「平成24年度間」を指します。
① 採用
採用者数は,幼稚園 10,686 人(前回比 753 人(6.6%)減少),小学校18,596 人(同 1,002 人(5.7%)増加),中学校 11,518 人(同 108 人(0.9%)減少),高等学校 9,793 人(同 347 人(3.4%)減少)などとな
っており,小学校及び特別支援学校を除く学校種で前回より減少している。② 転入
転入者数は,幼稚園 3,843 人(同 501 人(11.5%)減少),小学校 63,798 人(同2,094 人(3.2%)減少),中学校 38,720 人(同 426 人(1.1%)減少),高等学校23,578 人(同 72 人(0.3%)減少)などとなっており,中等教育学校及び特別支援学校を除く学校種で前回より減少している。③ 離職
離職者数は,幼稚園 10,239 人(同 1,471 人(12.6%)減少),小学校 18,100 人(同 266 人(1.4%)減少),中学校 9,137 人(同 447 人(4.7%)減少),高等学校9,502 人(同 1,056 人(10.0%)減少)などとなっており,中等教育学校を除く学校種で前回より減少している。
この結果から、人材の流動性はやや低くなっているものと考えられます。
以上、近時の人事に関する統計をご覧いただきました。
他と比べることによって見えてくる姿というのもあると思います。
あまり過敏になりすぎず、とは言えあまり鈍感にもなりすぎず、
こういった材料をうまく使いながら、
自法人の舵取りを進めていただきたいと思います。
(文責:吉田)