寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

労働時間の把握が義務化

以前、当ブログで文部科学省が公表した「教員勤務実態調査」について取り上げました。

内容は、教員の出退勤時刻を管理している学校は全体の2割強しかなかった、というもので、教員の長時間労働が大きな問題になっているにも関わらず、出退勤時刻を記録していない学校が多いことに大変驚いたものです。

 

長時間労働を是正するためには、まずは労働時間の実態を把握しなければ、どこに問題があるのかを掴むことはできません。

昨今の行政の動きから、今後は規制が強まるだろうと感じ、8月4日の弊社セミナー(学校経営を取り巻く課題の総点検)の中でもお伝えしたのですが、先日このような記事を目にしました。

 

www.msn.com

 

過労死を防ぐため、厚生労働省は、労働安全衛生法(安衛法)施行規則を改正し、従業員の労働時間を適切に把握することを企業などの義務として明記する方針を固めた。

 政府は、時間外労働の上限規制を含む「働き方改革関連法案」を秋の臨時国会に提出する予定。関連法施行までに安衛法施行規則を改正する。

 安衛法は働く人の健康を守るための法律。時間外労働が月100時間を超えた人が申し出た場合、医師の面接指導を事業者に義務づけるなど、労働時間の把握を前提とした仕組みを定めている。ただ、取り組みが不十分な企業もあるという。

 そこで、安衛法施行規則に、労働時間の把握について「客観的で適切な方法で行わなければならない」などの文言を盛り込む。パソコンの使用時間やIC(集積回路)カードによる出退勤時間の記録を想定する。管理監督者を含めた全ての労働者を対象にする。

 

今年の1月に、厚生労働省が「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」を策定し、その中で、使用者は従業員の労働日ごとの始業・終業時刻を記録することが定められていますが、そこからさらに踏み込んで、労働安全衛生法施行規則に従業員の労働時間の把握を義務付けることを明記するとのことです。

 

まだ、厚生労働省が義務化の方針を固めたとの報道がされた段階ですが、避けては通れない問題ですので、教職員の出退勤時刻を記録していない学校は早急な対応が求められます。

ただ、法令が改正されるから仕方なく対応するのではなく、実態を正しく把握し問題があれば直ちに是正することを目的としての対応が必要です。

 

教員の出退勤時刻の記録については、教員という職業の特性上馴染まないという意見も依然として多いようですが、この法改正により「学校の常識」が変わるきっかけになることを願います。

 

(文責:木村)

www.ysmc.co.jp