寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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たった2割??

一般企業では社員の出退勤の時間を何らかの方法で記録することはごく当たり前のことですが、学校現場ではそれは決して当たり前ではないことが文部科学省の調査で改めて浮き彫りとなりました。

 

www.nikkei.com

 

文部科学省は11日、公立小中学校の勤務管理の実態を調べた結果を公表した。教員の退勤時刻について、校務支援システムなどのICT(情報通信技術)やタイムカードを使って管理する学校は2割強にとどまった。管理職の点呼や目視、出勤簿への押印などで対応する学校が6割を占め、教員の勤務時間が正確に把握されにくい実態が浮かんだ。

 教員の働き方改革について議論する同日の中央教育審議会の特別部会で公表した。調査は全国の小中各400校で実施。教員の平均勤務時間が小中とも1日11時間超だったとの速報結果を4月に公表しており、今回は勤務時間管理の状況などをまとめた。

 教員の退勤時間をタイムカードで記録しているのは小学校10%、中学校13%。ICTを利用しているのは小学校17%、中学校13%だった。一方、報告や点呼、目視で管理職が退勤を確認しているのは小学校で62%、中学校は58%を占めた。「特に何も行っていない」という回答も小学校11%、中学校14%あった。

 出勤時間の管理方法も同様に点呼や目視が多く、正確に把握しやすいICTやタイムカードの利用が少なかった。

 部会では教員の働き方改革に向けた検討課題を提示。勤務時間管理の改善策のほか、学校が担うべき業務を明確にすることや、ICT活用に向けた方策などが挙がった。

 

一般企業での勤務経験しかない私にとって、勤怠管理を行わないということには強い違和感を覚えずにはいられません。

「幼稚園や学校の教員に勤務時間の管理は馴染まない」というご意見もあるかと思いますが、昨今大きな話題となっている教員の長時間労働を是正するうえで、まずは現状の労働時間を正確に把握することは絶対に必要です。

それは、教員の勤務実態を管理しなければいけないといった趣旨ではなく、まずはどの教員がどの業務にどれくらいの時間を費やしているのかをきっちりと把握しないことには現状の分析を十分に行うことができません。

そのような状態で長時間労働を是正するための改善策を打ち出したとしても、それが的外れなものになってしまい、何の効果も生じない可能性があるからです。

 

労働時間を正確に把握するための手段はデジタルでもアナログでも構わないのですが、教員の長時間労働を効果的に是正するためにも、まずは労働時間をしっかりと記録することが絶対に必要であると思います。

 

(文責:木村)

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