寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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クラッシャー上司

待機児童問題が深刻となっていますが、その背景には保育士の慢性的な不足が指摘されています。

労働時間の長さや待遇面の悪さなど、保育士が定着しない要因はいろいろと挙げられていますが、全ての保育士がやりがいと責任を感じながら、安心して長く働くことができるような環境へと改善を急がなければいけません。

 

ところで、「クラッシャー上司」という言葉をご存知でしょうか。いかにも恐ろしい雰囲気が漂うネーミングですが、まさにそのとおりなんです。

Wikipediaには次のように解説されています。 

気分の浮き沈みが激しく、部下のミスを執拗に責め、あるいは暴言を吐いたりして次々に部下を鬱と休職や退職に追い込むなど、その言動で部下を次々と潰してしまう上司のことを指す。

 

保育士の不足とクラッシャー上司に何の関係があるのかということですが、あるアンケート調査で、8割の保育士が自身の職場にクラッシャー上司がいると回答したそうです。

 

www.kyobun.co.jp

 

調査では、部下を自らの言動で潰してしまう人を「クラッシャー上司」と定義。感情の起伏が激しく、部下や後輩がミスをした際には必要以上に責め立てたり、暴言を浴びせ掛けたりするなどを繰り返す。その結果、休職や退職に追い込まれたケースが多かった。

職場に、そうしたクラッシャーに当たる上司や先輩がいるかどうかを聞いたところ、「いない」はわずかに5%、「どちらともいえない」が11%、「わからない」が2%。「いる」との回答者のうち、その上司がどのような行動を取っているか尋ねると(複数回答)、「自身がパワハラを行っていることに気付いていない」が90%で最も多かった。次いで「その日の気分次第で指示や言うことが変わる」78%、「気に入らないことがあると怒鳴ったり不機嫌な態度をとったりする」74%、「好きか嫌いかで人を判断する」72%。ほかにも人格を否定する発言をしたり、保護者とのトラブルを他の職員の責任のように話したりするなどの体験談があった。

このような言動によって実際に心身に不調をきたしたり、退職したりした職員がいるとの回答は92%に上った。心身に不調をきたした経験があるとした回答は76%だった。
対処法について聞いたところ、「できるだけ関わらないように避ける」53%、「家族など職場外の親しい人に相談する」49%、「職場の同僚などに相談する」47%などが挙がるなかで、「休職や転職を検討する」との回答も45%あった。

一方「あえて委縮しないように心がける」20%、「理不尽なことは異を唱えるようにする(言いなりにならない)」19%など、一定の対抗姿勢を示す方法は、少数派にとどまった。
職場環境の改善案について尋ねると、「クラッシャー上司を容認する古い体制を崩す(責任者を変えるなど)」が57%、「適切な相談機関を設ける」52%、「ハラスメントに対する罰則を設けるまたは強化する」42%。

同社によると、「クラッシャー上司は長年勤めてきた経験などから、言動が黙認されているケースが多い。このような体制を是正するには、職場のコンプライアンスの見直しや、パワハラを許さない新しい体制づくりなど、古い体制を崩す取り組みが必要」としている。

 

ただでさえ人手不足の状況にある保育園において、上司のパワハラが原因で教員を退職させてしまうとは、何とも残念な結果です。

また、上司の側に自覚症状がないというのが恐ろしいことです。

 

勤務歴の長い方の中には、「自分が若手だった頃はもっと厳しかった」や、「今までもこんな感じでやってきたから」といった意見が出てきそうですが、昔は昔、今は今です。

長年の間に培った経験が貴重であることは間違いありませんが、その経験は園の発展のために生かされなければ何の役にも立ちません。

 

保育士の不足といえば、冒頭にも記載したように、長時間労働や待遇面の悪さがよく指摘されますが、このような問題も大きな要因なのではないかと感じます。

自園でコンプライアンス上の不備がないかどうかについては定期的に確認する必要がありそうです。

 

(文責:木村)

www.ysmc.co.jp