寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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インターネット教育に関する実態調査

中高生がスマートフォン等を通じて日常的にインターネットを利用していることがすっかり当たり前の時代になりました。

いわゆる「デジタルネイティブ世代」ですね。

自分の学生時代にもスマートフォンがあればもっと便利で楽しかったのかなあ、などと思いつつも、様々なトラブルやネット依存などの問題が取り上げられることも多いことことから、利便性の向上が必ずしも心の豊かさに繋がるという訳ではないような気もします。

インターネットのように便利さの裏に危険が潜むようなものを利用する場合には一定のリテラシーが必要になり、多くの中学校や高校においてはインターネットに関する教育が行われていると思いますが、株式会社日本レジストリサービスが中学校と高校の生徒および教諭を対象に実施した「インターネット教育に関する実態調査」の結果を見ると、その内容や成果は十分とは言えないようです。

 

https://jprs.co.jp/press/2017/170620.pdf

 

調査結果の概要は以下のとおりです。

(1)生徒の URL ついてに対する意識について

インターネット利用時に、URL を意識しない生徒は約 7 割


インターネット上に数限りなく存在する Web サイト。そこでは「URL(Uniform ResourceLocator)」と呼ばれるインターネット上の住所(文字列)が重要な役割を果たします。しかし、スマートフォンでインターネットに触れることが大半の中学生・高校生にとって、URL への意識が薄れつつあることが分かりました。生徒に対し、「インターネットを利用する際に URL を意識するか」と聞いたところ、“スマートフォンや携帯電話の利用時”は 75.5%が意識せず、“デスクトップパソコン・ノートパソコンの利用時”でも 69.8%が意識していないことが明らかになりました。また、「URL の.jp が日本を表すことを知っているか」との問いには「知らなかった」と回答した生徒は41.5%に達しました。このような結果となった要因としては、スマートフォンなどのブラウザーでは URL が非表示になるなど、意識する機会が失われていることなどが考えられます。

 

(2)インターネットの仕組みの授業について

ドメイン名を授業で教えていない教諭が 3 割超


教諭に対する調査では、「情報教育」に対する課題を抱えている教諭が少なからず存在することも分かりました。中学校・高校で「情報教育」を担当する教諭 400 名へのアンケートでは、教諭の 35.6%がメールアドレスやWeb サイトの URL を構成する「ドメイン名は授業で教えていない」と回答し、また、18.5%は「インターネットの仕組みを教えていない」とも回答しました。

 

(3)「情報教育」に関する教材について

教材に満足していな教諭が約 4 割

 

過去 5 年以内に情報教育の授業を担当したことがある教諭に、授業で使用する教材への満足度について聞いたところ、36.8%が「満足していない」と回答しています。学校種別で見ると、「教材に満足してしない」と回答した割合は“高校の教諭”が 31.5%であったのに対し、“中学校の教諭”は 42.0%と 10.5 ポイント高く、より初歩的な内容を教える中学校での情報教育に使用する教材が不足しているという実態が明らかになりました。

 

(4)「情報教育」担当教諭の授業への自信について
「自信を持って教えられている」教諭は 4 割以下

 

別の質問では、情報教育を担当している教諭の抱える不安も見えてきました。調査時点で「情報教育」を担当している教諭 276 名に対し、「授業を行うにあたり、自信を持って授業を行えているか」を聞いたところ、「自信を持って教えられている」と回答した教諭はわずか 38.4%という結果となりました。これは、「情報教育」が中学校では技術・家庭科の一科目、高校では「情報科」として必修教科となっているにもかかわらず、専任ではない教諭が担当することが多く、前述の通り情報教育の教材が不足していることが一つの要因だと考えられます。

 

私の長女は高校生でスマホを持っていますが、例えばスマホの操作方法やSNS等については私なんかよりも圧倒的によく知っており、そのようなことについて私は長女に教えてもらってばかりなのですが、ネットリテラシーが高いかと言えばそうではありません。

おそらく、スマホを使いこなしている中高生の多くがそのような状態なのではないでしょうか。

 

そこでインターネット教育が重要になってくるわけですが、4割程度の教諭が授業に自信を持てておらず、適切な教材が不足しているとのことです。

時代の急激な変化とともに学校で教えておくことが望ましいと思われることの範囲は広がる一方ですが、インターネットについては今や日常生活で欠かすことのできないものとなっていますので、まずは教える側の体制を早急に整えることが望まれます。

 

(文責:木村)

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