寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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中学受験をする理由

受験シーズンも終わり、新たな年度が始まろうとしています。

我が家の長女も第一志望の公立高校に無事合格し、ひと安心しております。

 

ただ、少子化の影響により、私学にとっては目標の入学者数を確保できるかが学校経営を大きく左右することは言うまでもありません。

特に、多くの子どもたちが公立中学へ進学する中で、中学校を持つ学校法人にとって生徒を安定的に確保することは非常に難しい課題なのではないでしょうか。

 

では、そもそも私立中学へ進学する生徒もしくは保護者はどのような理由で受験をするのでしょうか。

 

chukou.passnavi.com

 

「中学受験 高校受験 パスナビ」からの引用ですが、これによると5つの理由が挙げられています。

 

理由その1 大学進学に有利

■ 難関私立大学、人気私立大学へ推薦入試で進学できる

保護者の方がお子さんに中学受験をさせる理由として最も多く挙げるのがこれでしょう。
私立中学の場合であれば、高校、大学と併設されている学校も多く、将来、これらの学校へ推薦入学制度で進学することができます。
これらの高校は付属中学も備えているので、将来、これらの私立大学へ進学を考えているのなら、中学から入学しておくほうが有利といえるでしょう。

■ 難関国公立大学への入試対策も万全

一方、国公立大学や系列大学以外への進学に関しても、私立校や公立中高一貫校が有利です。私立校の最大の特長は、自由なカリキュラムを学校が独自に組めることです。教科の授業時間数が公立校に比べて多いので授業を速く進めることができます。
また、6年間をトータルで考えた指導ができるので、進学校では高2か高3の初めまでに高校の教科書を終わらせ、あとは本格的な大学受験対策の授業へと進むところが大多数です。
中高一貫校では、このような学習環境にあるので、同じレベルの学力の子たちが一緒になって学び、競い合うことが可能です。その結果、大学受験でも難関大に多くの合格者を送り出しています。

 

理由その2 一貫した教育方針の下での指導が受けられる

私立中学校や公立中高一貫校では、学校ごとに「こういう人間を育てたい」という建学の精神に基づいた教育方針があります。
たとえば、私立校であれば「自主自律の精神を育む」、「他者のために尽くす」、公立中高一貫校であれば「国際社会で活躍できる」、「リーダーとしての資質を持つ」人材の育成などが方針として掲げられています。授業はもちろん、行事・クラブ活動、生活態度や普段の行動などもこの方針の下に指導されます。

 

理由その3 人間教育を重視した指導が受けられる

私立中学では宗教教育を行っている学校も多く、キリスト教系では豊かな人間性、奉仕の精神に基づいた全人教育が、仏教系の学校では建学の仏教精神を土壌とした人間教育が行われています。
また、授業においては、女子は礼法・作法、華道・茶道を、男子は柔道・剣道などの武道を取り入れている学校も見られます。行事やクラブ活動を大事にしている学校も多く、行事はクラスの団結力を高めることを、クラブ活動は友情や自主性を育むことを目的としています。

 

理由その4 時代にマッチした授業が受けられる

多くの私立中学では、将来、国際社会で活躍できるよう英語力を高める授業や、また英語以外の語学教育にも力を入れています。たとえば、海外の大学への進学を目指した国際学級を設置しているところもあります。
授業にパソコンを活用したり、大学進学後や社会に出てからも活躍できるようにプレゼン能力、ディスカッション能力を高めるための授業を行うところも増えています。他にもキャリア教育、体験学習など、子どもの未来を考えた教育が行われています。

 

理由その5 最新の設備・施設と豊富な学校行事

施設の充実には、各学校とも力を入れています。全教室冷暖房完備、全天候型グラウンド、LL教室、メディアセンターなどを備えた学校も多数あります。最近では、新校舎の建設や旧校舎の改築など安全で快適な施設づくりが盛んです。
学校行事はユニークなものが多く、創立当初から続く歴史的イベントや宗教行事、スポーツイベントなど、その内容もバラエティー豊かです。
スポーツ以外にも、茶道、礼法など、将来役に立つ技術を身につけられる学校もたくさんあります。

 

2017年度入試の結果を見ても、一部の超難関中学、難関中学と呼ばれる私立中学の競争率がどこも高かったことから見ても、「理由その1」がやはり最も大きいと言えそうですね。

 

では、私立中学受験は一部の成績上位層のためだけに行われているのかといえば、もちろんそんなことはないはずです。

 

理由その2「一貫した教育方針の下での指導が受けられる」であったり、理由その4「時代にマッチした授業が受けられる」こそが私立中高一貫校にとっての最も大きな武器になるのではないかと個人的には感じます(その副産物として進学実績が伸びればなお印象は良いのでしょうが)。

 

上記の5つの理由こそが私立中学を受験する生徒や保護者の私立中学に対するニーズであり、2017年度や過年度の入試で目標の入学者数に達しなかった学校は、それらのニーズの何らかを満たすことができていなかった、もしくは十分なアピールができていなかったということが言えるのではないでしょうか。

 

各校におかれましては、2017年度の入試結果も出揃い、総括をされること思いますが、上記の5つの理由を中心に現状把握(=原因の特定)をしっかりと行った上で、次年度の生徒募集に向けた計画の策定を行っていただければと思います。

 

(文責:木村)

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