寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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高校生の勉強と生活に関する意識調査報告書-日本・米国・中国・韓国の比較- (授業編)

国立青少年教育振興機構が3月13日、日本・アメリカ・中国・韓国の4か国を比較した「高校生の勉強と生活に関する意識調査報告書」を公開しました。

 

その中から本日は「授業について」の調査結果をご紹介いたします。

 

 

www.niye.go.jp

 

 まず、授業の進め方について、どのような形式が多いかに関する質問の回答結果です。 

 

教科書以外の本、模型、現物など、いろいろな教材や教具を使って教える授業

  • 日本:25.0%
  • 米国:46.4%
  • 中国:68.9%
  • 韓国:32.1% 

 

タブレット 、電子黒板、実物投影機・DVD・動画、プレゼンテーションソフトなどを活用する授業

  • 日本:15.3%
  • 米国:85.1%
  • 中国:87.1%
  • 韓国:67.6%

 

個人で調べたり、まとめたり、発表する授業

  • 日本:16.6%
  • 米国:62.0%
  • 中国:44.9%
  • 韓国:28.5%

 

グループで課題を決め、考えたり調べたりする授業

  • 日本:11.9%
  • 米国:28.8%
  • 中国:57.1%
  • 韓国:34.9%

  

 学校外での見学や体験をする授業

  • 日本:5.3%
  • 米国:10.5%
  • 中国:29.1%
  • 韓国:13.7%

 

なんとなんと、上記の全ての項目において、日本は最も低い数値となっておりました・・・。

特に電子教材の活用状況に関しては、他国と比較するとかなり遅れている結果になっています。日本においても電子教材の導入は進んできているようですが、活用の状況はまだまだといったところでしょうか。

また、他の項目からは、アクティブラーニング型の授業も他国と比較すると導入が進んでいないことを読み取ることができます。

昨今、教員の長時間労働が大きな問題になっていますが、学校全体として教育内容のブラッシュアップのために必要な時間を割くことができてこなかったことの結果なのではないかなと感じてしまいます。

 

 

 次に、授業中に高校生自身がどのような態度や行動をとっているかに関する質問の回答結果です。

 

授業中、きちんとノートをとる

  • 日本:79.4%
  • 米国:60.8%
  • 中国:67.7%
  • 韓国:50.8%

 

さすが日本の高校生、他国の高校生と比べノートをしっかりとっています!

ただ、前述の授業の進め方を見ると、日本の高校の授業は必然的にノートをとらなければいけないような内容であるとも言えそうですね。

 

問題はここからです・・・

 

授業中、居眠りをする

  • 日本:15.0%
  • 米国:3.8%
  • 中国:3.3%
  • 韓国:8.4%

 

これについても、講義型の授業が中心だからなのでしょうか、はたまたクラブ活動で疲れ切っているのでしょうか、日本の高校生は断トツに居眠りをしていますね・・・

 

グループワークの時には積極的に参加する

  • 日本:25.3%
  • 米国:68.1%
  • 中国:45.4%
  • 韓国:54.2%

 

国民性でしょうか、それとも学校教育の伝統なのでしょうか、これも突出して日本は低い数値になっていますね。

ここにも、今後の教育内容を検討する上でのヒントがありそうですね。

 

教育のプロではありませんので偉そうなことは言えませんが、このような客観的なデータを踏まえた上で、学校のあり方、授業の進め方についてはまだまだ再考の余地があるのではないかと感じます。

 

 

(文責:木村)

www.ysmc.co.jp