国立青少年教育振興機構が3月13日、日本・アメリカ・中国・韓国の4か国を比較した「高校生の勉強と生活に関する意識調査報告書」を公開しました。
その中から本日は「勉強について」の調査結果をご紹介いたします。
まずは勉強時間に関する結果です。
「平日に学校の宿題をする時間はどのくらいですか」という質問に対し、「しない」と回答した割合は以下のとおりです。
日本:11.2%
韓国:8.4%
米国:5.1%
中国:2.2%
次に、「平日に学校の授業と宿題以外に、どのくらい勉強しますか」という質問に対し、「しない」と回答した割合が以下のとおりです。
日本:24.2%
米国:17.7%
韓国:9.8%
中国:7.6%
残念なことに、どちらの質問とも日本が最も高い割合となっています。つまり、日常的に勉強をする習慣が身に付いていない高校生の割合は日本が最も高いことを表しているということになります(ここでは、私の高校時代のことは棚に上げておきます・・・)
さて、日常的に勉強をしない割合が4か国の中で最も高い日本の高校生たちですが、どのような勉強の仕方をしているのでしょうか。
勉強の仕方で以下の12項目にあてはまる項目を挙げる(複数回答可)という質問に対して、日本の高校生の回答率が最も高かったのはどれでしょうか??
- 試験前にまとめて勉強する
- できるだけ暗記しようとする
- 自分で整理しながら勉強する
- 問題集をたくさん練習する
- できるだけ自分で考えようとする
- 教えられたとおりに勉強する
- 毎日こつこつと勉強する
- 問題意識を持ち、聞いたり調べたりする
- 参考書をたくさん読む
- 勉強したものを実際に応用してみる
- 方法や課程より結果がわかればいいと思う
- 教わったほかの方法でもやってみる
何となく予想がつきそうですが、最も回答率が高かったのは「試験前にまとめて勉強する」で69.3%でした。なお、4か国中で最も高い回答率でした。
試験前の一夜漬けは今も昔も変わらないのか・・・と何とも切ない気持ちになってしまうような結果ですが、切ない気持ちになるような結果はまだまだ続きます。
上記12項目のうち、以下の項目の回答率は4か国の中で最も低い結果となっていました。
- 自分で整理しながら勉強する
- できるだけ自分で考えようとする
- 教えられたとおりに勉強する
- 参考書をたくさん読む
- 勉強したものを実際に応用してみる
- 教わったことをほかの方法でもやってみる
あくまで上記結果からの推測ですが、テストのために仕方なく短期的に知識を詰め込んではいるものの、それが何の役に立つのかがよくわかっておらず、その活用の仕方もわからないと感じている高校生が多いのではないでしょうか。
ついつい、大学受験のためであったり、就職に有利になるためと目先のことを考えがちになるのですが、まずは勉強することの目的を生徒達に日々しっかりと伝え続けていくことが大切なのではないかと感じます。
生徒達の興味や好奇心をかきたてるような取り組みこそが今の日本にとっていかに重要であるかを、この調査結果から読み取ることができるのではないでしょうか。
(文責:木村)