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寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

労働経済動向調査の概況

統計 人事

人材の採用、学校にとっては大きな課題です。

ただ、それは学校に限ったものではなく、多くの業界で同様の現象が起きているようです。

本日は「労働経済動向調査」の直近の結果についてご紹介いたします。

厚生労働省HPより。

 

労働経済動向調査(平成29年2月)の概況|厚生労働省

 

まずは一番気になる、労働者の過不足感について見てみましょう。

最初は「正社員等労働者」について。

平成29年2月1日現在の正社員等労働者過不足判断D.I.をみると、調査産業計で38ポイントと23期連続して不足超過となった。全ての産業で不足超過となった。特に「医療,福祉」、「運輸業,郵便業」、「建設業」で人手不足を感じている事業所の割合が多い。

ちなみに、最も不足感の大きい医療・福祉分野のD.I.は47となっています。

ここでのD.I.は『労働者数について、調査日現在の状況で「不足」と回答した事業所の割合から「過剰」と回答した事業所の割合を差し引いた値』であり、具体的には不足が50%、過剰が3%、差引47%というデータとなっています。

では「パートタイム労働者」はどうでしょうか。

平成29年2月1日現在のパートタイム労働者過不足判断D.I.をみると、調査産業計で32ポイントと30期連続して不足超過となった。全ての産業で不足超過となった。特に「宿泊業,飲食サービス業」、「サービス業(他に分類されないもの)」、「卸売業,小売業」、「生活関連サービス業,娯楽業」で人手不足を感じている事業所の割合が多い。

というわけで、雇用形態を問わず、労働者不足の状態になっています。

ちなみに最多の宿泊業等のD.I.は56。大きな値ですね。

 

さらに、未充足求人についてのこんなデータもあります。

平成29年2月1日現在の未充足求人がある事業所の割合は調査産業計で53%、産業別にみると、「サービス業(他に分類されないもの)」(71%)、「医療,福祉」(69%)、「宿泊業,飲食サービス業」(63%)、「運輸業,郵便業」(60%)、「卸売業,小売業」(51%)で50%を超えている。

本調査全体を通じ、産業別分類においては「教育業」の括りが存在していませんので私学がどうなのかはわかりませんが、業界を問わず、人手不足が深刻な状況になっていることは間違いなさそうです。

 

これだけ労働者が不足しているとなると、さぞかし時間外労働が延びているのでは…と思ったのですが、この調査ではこのことについてもちゃんと聞いてくれています。

所定外労働時間判断D.I.(平成29年1~3月期実績見込)は、調査産業計0ポイント、建設業1ポイント、製造業2ポイント、卸売業,小売業マイナス10ポイント、医療,福祉2ポイント、サービス業(他に分類されないもの)3ポイントとなった。
所定外労働時間判断D.I.(平成29年4~6月期見込)は、調査産業計3ポイント、建設業0ポイント、製造業1ポイント、卸売業,小売業4ポイント、医療,福祉マイナス2ポイント、サービス業(他に分類されないもの)3ポイントとなった。

ここでのD.I.は「当該期を前期と比べて「増加」と回答した事業所の割合から「減少」と回答した事業所の割合を差し引いた値」を示しています。

よって、プラスであれば前期比増、マイナスならその逆、つまり前期より減っているということを表しています。

プラスの値が小さく、マイナスの値すら存在していますね。

この状況下で円滑な採用を目指すとなると、労働条件の改善、特に時間外労働の削減は避けて通れない、というところでしょうか。

人手は足りないわ、労働時間は伸ばせないわ…経営者サイドからすると、何とも悩ましい状況ですね。

 

 

さて私学の雇用状況に戻ってみましょう。

御校での人手不足感はいかがでしょうか。

そしてその解消のための手立ては何か講じていらっしゃいますでしょうか。

私は2つのことが頭をよぎりました。

 

1つは人を育てるということ。

優秀な人材を外部から調達する、という考えは今後ますます難しくなっていくことでしょう。

今こそ学内で人を育てるという意識、そしてそのためのしくみを整えることが大切だと感じます。

 

もう1つは、長時間労働を是正すること。

他の業界はすでにいろいろと手を打ってきています。

ところが学校では、まだまだ長時間労働を「避けられないもの」と考えがちな風潮があるように思います。

教職員採用におけるライバルはもはや「他校」ではなく、「他業種」かもしれないという意識を持つべきでしょう。

そのうえで、業種に縛られることなく、労働環境の改善を進めていくことが採用競争力を高めることになるのではないでしょうか。

 

ちなみに、地域別の人手不足感も本調査結果に掲載されています。

が、日本全国、どの地域も同程度の不足感になっています。

全国の私学の皆さん、適切な方法でこの状況を乗り切ってまいりましょう。

 

(文責:吉田)

 

www.ysmc.co.jp