毎年このブログで紹介している内容を今年もまた。
文科省HPより。
平成28年度 教職員団体への加入状況に関する調査結果について:文部科学省
公立学校の教職員を対象とした調査結果です。
調査日は平成28年10月1日現在となっています。
HPには非常に端的に結果が記載されていますので、そちらを見ておきましょう。
教職員全体の加入状況
○ 教職員団体全体の加入率は、昭和51年以降41年連続の低下。
→ 加入率 35.2%(前年度36.3%) 前年度比 マイナス1.1ポイント
○ 日本教職員組合(日教組)への加入率は、昭和52年以降40年連続の低下。
→ 加入率 23.6%(前年度24.2%) 前年度比 マイナス0.6ポイント
新採用教職員の加入状況
○ 教職員団体全体の新採用教職員の加入率は、昨年度と同率。
→ 加入率 24.3%(前年度24.3%) 前年度比 プラスマイナス0.0ポイント
○ 日教組への新採用教職員の加入率は、昨年度に比べ低下。
→ 加入率 18.6%(前年度18.8%) 前年度比 マイナス0.2ポイント
以前は組合が強いと言われた公立教職員ですが、今や加入率は3人に1人となっており、新規採用者に限ると4人に1人を切っている状況です。
このこと自体の良し悪しを論じることはできませんが、少なくとも労働組合というものの存在感は小さくなってきていることは間違いないでしょう。
労働者として、職場環境の改善、あるいは処遇の改善を求める動きは以前に比べて小さくなっているのかもしれませんね。
それだけ労働環境は整っているケースが多い、とも言えるのかもしれません。
公立校はともかく、私学においては世間の同規模の企業と比べると、処遇の水準は高いケースが多いことは、私自身も肌で感じているところではあります。
ただ、学校における教職員はサービスの最前線に立つ方々です。
これらの方々が十分満足を得ずにその最前線に立つことは、サービス低下、すなわち学校で行われる教育活動の低下につながる恐れがあります。
ここが人事制度改革の難しいところと言えるでしょう。
経営上は、人件費水準を一定レベルにとどめたい。
ただ、教育の質に悪影響を及ぼしてはならない。
このせめぎあいの中で、人事制度の議論を進めていかねばならない…そんな私学が昨今多く存在しているように思います。
私がそのようなことに関わる中で確実に言えることがあるとすれば、それは「改善は『思い立ったが吉日』である」ということです。
人事制度を変えるには気の遠くなるような時間が必要です。
評価制度を導入するにも、給与制度を変えるにも、ましてや退職金制度を変えるにはそれは長い時間がかかるものです。
だからこそ、スタートを早める必要があります。
経営に影響が及び始めてから着手すれば、それは「痛みを伴う変化」にならざるを得ません。
緩やかな改善を果たすためにも、労使が力を寄せ合い、「学校の永続」という双方のメリットになるただひとつの目的に向けて進んでいただければと願っております。
(文責:吉田)