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寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

国公立学校施設における維持管理点検状況調査の結果について

施設 安全 統計

子どもたちの安全が何より重視される、学校現場。

施設の維持や整備は非常に重要な課題ですね。

そこで本日は施設の点検状況に関する結果報告を見てみましょう。

文科省HPより。

 

国公立学校施設における維持管理点検状況調査の結果について:文部科学省

 

まずは本調査の対象を見ておきましょう。

・全国の公立学校(幼稚園、幼保連携型認定こども園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校及び特別支援学校)の施設
・全国の国立学校(大学、大学共同利用機関法人及び高等専門学校)の各主要団地内の施設

というわけで、公立対象の調査ですので、私学の情報は入っていない点につきご留意ください。

この調査、以下のような経緯で実施されたようです。

○ 公立学校施設は、その約7割について、建築基準法第12条第1項及び第2項の規定に基づき、定期的な点検を実施することが学校施設の所有者等に対して義務付けられている。また、法定点検が義務付けられていない学校も含むすべての学校施設の所有者等は、同法第8条第1項の規定に基づき、建築物を常時適法な状態に維持するように努めなければならないこととされている。

○ 一部の公立学校において上記法定点検を実施していないことなどが会計検査院の行った調査により指摘されたことを受け、平成28年5月25日の参議院本会議において公立学校施設の不適切な維持管理に関して警告決議がなされた。

○ これらの状況を踏まえ、文部科学省において、全国の国公立学校施設における法定点検の実施状況等を調査した。

 

まずは学校施設は原則として定期点検が義務付けられていることを押さえておかねばなりません。

文科省の別ページにこういうことも記載されています。

学校施設の維持管理の徹底について(通知):文部科学省

本論とは少し外れますが、点検の義務付けに関する内容もしっかりチェックしておきましょう(上記HPより一部加工し抜粋)。

1.建築基準法に基づく法定点検の実施について

(1)点検の義務づけがある学校
建築基準法第12条第1項の規定により、学校の用途に供する部分の床面積の合計が100平方メートルを超える建築物であって、特定行政庁が指定するものの管理者は、有資格者による建築物の調査を定期に実施し、その結果を特定行政庁に報告することが義務づけられています。(以下略) 

(2)点検の義務づけがない学校
上記(1)以外の学校の管理者は、建築基準法点検が義務づけられていませんが、学校施設を含む全ての建築物の管理者は、同法第8条第1項の規定により、建築物を常時適法な状態に維持するよう努めることが義務づけられています。そのため、建築基準法点検の義務づけがない学校施設の管理者におかれても、当該学校施設について、劣化等により是正の必要が生じている箇所を把握するとともに、当該箇所を早期に是正することで常に適法な状態を維持することが重要であることから、平成20年国土交通省告示第282号を参考として、有資格者による専門的な点検を定期に実施するようお願いします。

2.消防法に基づく法定点検の実施について

消防法第17条第1項及び第17条の3の3の規定により、全ての学校の管理者は、消防用設備等が消火、避難等の消防活動に必要な性能を有するように設置するとともに、消防用設備等又は特殊消防用設備等について、有資格者等による点検を定期に実施し、その結果を消防長又は消防署長に報告することが義務づけられています。
このため、全ての学校の管理者におかれては、同法の定めを遵守し、確実に点検を実施してください。

 

さて、先ほどの記事に戻りましょう。

公立学校施設においては、全体の7割が定期点検の法定義務があるとのこと。

安全最優先、のはずの学校施設ですが、多忙な日常に追われると点検の優先順位が下がってしまうこともあるかもしれません。

私学においても人員配置上、管財の専門担当者を置いておられないケースも少なくないように思いますので、点検については十分留意すべきことではないでしょうか。 

 

さて、気になる今回の結果ですが、以下の通りとなっています。

・公立学校
法定点検の実施義務がある学校:
99.99%が「点検を実施」又は「点検を実施する見込み」
※残りの0.01%(3校)はすべて平成30年度までに廃校等の予定。
法定点検の実施義務がない学校:
40.0%が「点検を実施」又は「点検を実施する見込み」

・国立学校
法定点検の実施義務がある主要団地:
100%が「点検を実施」又は「点検を実施する見込み」
法定点検の実施義務がない主要団地:
82.4%が「点検を実施」又は「点検を実施する見込み」

法定点検の実施義務がある学校についてはすべてが点検を実施していることが分かりましたが、これはまあ、当たり前ですよね。

ちなみに私学は…統計が見当たらないので何とも言えませんが、100%であると信じたいところです。

一方、法定点検の実施義務がない学校になると率がぐんと落ちるところが非常に気になります。

学校という施設の特質を考えれば、法定の義務があろうがなかろうが、定期点検は最低限必要なものではないでしょうか。

しかも、別紙資料によれば都道府県ごとにその率に大きな高低差があります。

例えば近畿地方では兵庫県を除いて、中国地方では島根県を除いて、その率は非常に低い水準にとどまっています。

 

言われなければやらない、というのでは子どもたちにも示しがつきませんよね。

求められるか求められないかにかかわらず、安全確保のためにまずは「危険を予防する」、そのために点検を重視するという姿勢が学校には必要なのではないでしょうか。

 

(文責:吉田)

 

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