読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

「デジタル教科書」の位置付けに関する検討会議 最終まとめ

本日ご紹介する記事が発表されたのは昨年末。

遅くなってしまいましたが、これからのことを考えると無視できない内容ですのでこのタイミングになってしまいましたがご紹介します。

(すでにご承知だとは思いますが…)

文科省HPより。

 

「デジタル教科書」の位置付けに関する検討会議 最終まとめ:文部科学省

 

いよいよ現実になってきた感のあるデジタル教科書。

上記ページには、審議結果の報告書とともに、概要版も掲載されています。

報告全体はそれなりのボリュームですので、以下、概要版の中からいくつかの項目を抜粋します(赤文字は筆者が加工しております。ご容赦ください)。

 

まずは「デジタル教科書」が指す内容とその範囲について。

・ 教科書は、基礎的・基本的な教育内容の履修を保障するために、原則、その全てを学習することが必要であり、質を確保するために検定が行われている
・ 現行制度上、本格的な実証研究を行うことは不可能であることから、デジタル教科書の使用による効果・影響について、客観的・定量的な検証は困難
◇ 紙の教科書とデジタル教科書の学習内容(コンテンツ)は同一であることが必要
◇ 紙の教科書を基本としながら、デジタル教科書により学びの充実が期待される教科の一部(単元等)の学習に当たって、紙の教科書に代えて使用することにより、「使用義務」の履行を認める特別の教材としてデジタル教科書を位置付けることが適当=「併用制
◇ 紙の教科書等による学習が困難な障害のある児童生徒のうち、デジタル教科書の使用による学習が効果的である児童生徒に対しては、より積極的な使用を可能とすることが望ましい
※ 紙の教科書とデジタル教科書のいずれかを選択して使用する「選択制」の仕組みの導入については、教育上の効果や健康面への影響等に関する調査研究等の結果等を見極めながら、デジタル教科書の導入後、一定の期間を経た後に改めて検討を行うことが適当

紙とデジタル、両方を併用する形でのスタートとなりそうですね。

 

次に、「デジタル教科書の基本的な在り方」について。

教科書検定制度との関係>
○ デジタル教科書の学習内容は紙の教科書と同一であることから、改めて検定を経る必要はないとすることが適当。紙の教科書との同一性については、発行者の責任において確保されるべきであり、当面は、デジタル教科書の制作者は紙の教科書を制作する発行者のみとすることが適当。
○ 動画や音声等については、学習効果が期待されるものの、部分的な修正が困難であることや、可変性があり膨大な情報量の内容について検定を経ることが必ずしも適当ではないことから、検定を要しない教材として位置付けることが適当。
教科用図書検定調査審議会等において、URLやQRコード等の検定上の取扱いについて、専門的な見地から審議を行うことが必要。
<学習内容の特性への配慮>
○ 導入を一部の教科に限定したり、使い方に差異を設けるといったことを現時点において決定することは必ずしも適当ではないが、教科・単元等の学習内容の特性に配慮しつつ、発行者の創意工夫をいかし、教育委員会や学校における使用の参考となるようなガイドラインを国が策定することが必要。
<教科書無償制度との関係>
○ 紙の教科書のみを使用する児童生徒との公平性の観点や、紙の教科書を基本とする使用形態等から、紙の教科書とデジタル教科書の双方を無償措置の対象とすることは直ちには困難。周辺環境の整備状況も踏まえつつ、使用を希望する地方自治体等において、全ての児童生徒が家計の状況に関わらず支障なく使用できるよう、必要な経済的支援を含めて積極的な取組が必要。
○ 障害のある児童生徒に一層積極的な使用を認める場合には、法令上の措置も含めて検討することが必要。
○ 中長期的には、普及・定着の状況も勘案しながら、制度面の検討と併せて、紙の教科書とデジタル教科書のいずれか一方又はその双方を、無償措置の対象とすることを検討することが望ましい。

使う側にとって一番気になる費用負担の問題。

完全無償、とはいかないようですね。

導入のための大きな課題と言えそうです。

 

そして、私学にとって気になるのはデジタル教科書を取り巻く「環境の整備」です。

<求められるICT環境の整備>
(情報端末)
○ デジタル教科書の使用形態に鑑みれば、個々の使用の場面において、児童生徒一人一人に対してデジタル教科書が用意されていることが必要
○ 情報端末の規格や機能の標準化等に加え、児童生徒の使いやすさやアクセシビリティの確保、相互互換性、価格の低廉化、児童生徒への影響等の観点について検討することが必要。
(ネットワーク環境)
○ 導入段階においては、ネットワーク環境を利用しなくてもデジタル教科書を使用できる形態とすることが適当。
○ インターネット環境に接続する場合には、各教育委員会や学校において、接続管理やフィルタリング等の対策を講じるとともに、児童生徒に対する十分な指導を行うことが必要。
<デジタル教科書の効果的な活用のための条件整備>
○ 紙の教科書と併用したデジタル教科書の使い方やデジタル教材を使用するための方針を明確化し、教員等の実践を通じた知見を学校全体として共有することが重要であり、研修等を通じて、ICT活用指導力を含めた教員の指導力向上のための取組の充実が必要。
○ デジタル教科書を円滑に使用することができるよう、トラブルに速やかに対応できるサポート体制等の環境整備が重要。

さて御校では、デジタル教材を活用できる教育環境を整備できているでしょうか。

お付き合いのある学校では、すでにICTの環境整備が進み、独自ツールの積極活用が図られているケースもある一方で、ICTを用いない旧来の形式での授業がなされているケースもあり、私学間においてもその差は広がっているという印象を受けます。

将来に向けた投資をどのタイミングで実行できるか。

中長期の計画立案とその実現が必要ですね。

 

(文責:吉田)

 

www.ysmc.co.jp