寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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魅力アップで生き残り

急速な少子化により公立高校の統廃合が進み、学校数はピークだった1987年の4191校から、2016年では3589校となっているようです。

 

昨今は都市部においても公立高校の統廃合は珍しいことではなくなりましたが、それでも都市部にはまだまだ多くの高校があり、生徒の通学が困難になるようなケースはほとんどないと思われます。ただ、過疎化が進む地域においては当然事情が異なります。

地域から高校がなくなれば、遠方の高校へ通学しなければいけなくなる若者が地域から流出してしまうおそれがあり、それは地域の衰退に直結することを意味します。

 

過疎化が進む地域では、そのような危機感から高校の特色づくりによって全国から生徒を集める取り組みを行い、生徒数を維持させて生き残りを図っているようです。

 

style.nikkei.com

 

以下は記事の引用です。

近年、公立高校が全国から生徒を募集する動きが出てきたのは、政策として地方創生が注目されるようになったこととも関連している。地元の高校がなくなれば地域が衰退してしまうという危機感を県や市町村が強く持つようになった。高校を維持する最大の大義名分は子どもたちに地元で教育を受ける機会を確保することだが、廃校となれば影響はそれだけにとどまらない。消費も減るし、高校生の通学のために鉄道やバスが維持されている地域が多いので交通網にも影響が出てくる。

 

 かつて市町村の間には、県立の高校にあまり関わってはならないという雰囲気があった。また県側でも高校再編を担当しているのは教育委員会なので、地域振興という観点が乏しかった。しかし近年はまず地元の市町村が危機感を持って高校の魅力向上に動き始め、県側でも知事などの主導により、教育委員会の枠を超えて対応を考えるようになってきた

 

 地域で公立高校のあり方を考えることは、住民にとっても町の将来像を考える絶好の機会となる。これまで市町村レベルの行政が深く関わることのなかった高校を町づくりの一環として組み込むことにつながり、地域の活性化につながる。高校生にとっても地域に目を向ける機会となり、ボランティア活動や地域行事へ参加するようになり、地域住民との交流の場が増える。高校生が地元に残ったり、将来戻ってきたりするきっかけとなる可能性もあるだろう。

 

過疎化が進む地域では、地域の強い危機感がこのような取り組みへと動かしたようです。逆を言えば、危機感がなければ、何もせずにただ廃校となっていた可能性が高いということでしょう。

都市部においても、少子化の進行が加速することにより学校間での生徒の獲得競争が激化することが予想され、その結果、学校の統廃合が進むことや経営が立ち行かなくなる学校も出てくることが十分に考えられます。

そのような波に飲み込まれないためにも、学校全体として目の前にある危機をしっかりと認識し、少しでも早いタイミングで魅力ある学校作りに着手する必要があるでしょう。

 

(文責:木村)

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