寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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平成29年度 文部科学省税制改正の概要

皆様、新年あけましておめでとうございます。

学校はまだ始まってはいないかもしれませんが、ご出勤されている方もたくさんいらっしゃることでしょう。

年末年始はいかがお過ごしでしたでしょうか。

束の間とは言え、日常から少し離れて頭と心と身体をリフレッシュすることはとても大切です。

澄んだ気持ちで本日を迎えておられることを願っております。

 

さて年始は年始らしい話題を…ということで、この4月からの税制改正の概要をお伝えしましょう(年始らしい…ですよね?)。

文部科学省HPより。

 

平成29年度 文部科学省税制改正の概要:文部科学省

 

実は今回の税制改正文科省関連は、目玉らしいものもなく、私学関係各位におかれましては流し読み程度でも悪くないと言えそうです。

一応、その項目を見ておきましょう。

(1)私立大学が行う受託研究の受託研究収入の非課税措置の拡充【法人税等】
(2)現物寄附へのみなし譲渡所得税等に係る特例措置適用の承認手続きの簡素化(内閣府厚生労働省との共同要望)【所得税等】
(3)試験研究を行った場合の法人税額等の特別控除の拡充(経済産業省等との共同要望)【法人税等】
(4)公益社団・財団法人が所有・取得する重要無形文化財の公演のための施設に係る固定資産税等の特例措置の延長【固定資産税等】 ※2年延長
(5)教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税措置における領収書の提出方法の見直し(内閣府等との共同要望)【贈与税】
(6)(独)教員研修センターの組織見直しに係る税制上の所要の措置【法人税等】
(7)退職等年金給付の積立金に対する特別法人税の課税の停止措置の適用期限の延長(厚生労働省等との共同要望)【法人税等】 ※3年延長
(8)県費負担教職員制度の見直しに係る指定都市への税源移譲【個人住民税】
(9)給付型奨学金の創設に伴う差押禁止等の所要の措置【国税徴収法等】

いかがでしょうか。

もちろん、関連がないわけではないのですが、少なくとも大学法人以外の私学が日常的に取り扱うテーマは見当たりません。

ただし、事例は少なくとも押さえておくとよさそうなものがいくつか含まれていますので、少し解説を加えておきましょう。

 

まず(2)について。

公益法人等に現物寄附を行った場合に、みなし譲渡所得税の非課税の特例措置を受けるためには、国税庁長官の承認手続が必要である。当該手続きには膨大な申請書の提出及び相当の時間を要しているが、文部科学大臣所轄学校法人への現物寄附については、一定の要件を満たす場合には、当該承認手続が大幅に簡素化される特例が設けられている。
本特例の対象を、都道府県知事所轄学校法人を含む他の公益法人等への現物寄附にも拡大することにより、公益法人等への寄附の一層の促進を図る。

寄付を募るケースが今後は増えていくと思いますので、これはその促進策になり得るとの行政サイドの意図ではないでしょうか。

 

もうひとつ、(5)について。

祖父母等が孫等に対して一括贈与された教育資金に係る平成 31 年 3 月 31 日までの贈与税の非課税措置について、領収書を紙媒体のみならず電子媒体でも金融機関に提出することを可能とし、本制度の利用促進を図る。

教育資金一括贈与の贈与税非課税制度はある程度使われていると思われ、私学は特にその恩恵を受けやすいと考えられますが、その利用促進が図られた改正項目になっています。

学費負担を懸念される保護者各位に本制度をご紹介することで入学促進策になるかも?(そんな簡単なものではないでしょうけれど)。

 

政策による私学経営の後押しは願うところではありながら、政策がいかなるものであろうとも、私学の永続を図ることができる、そんな私学が増えることを心から願っております。

そして本年もまた、御校のそのような活動を弊社がご支援申し上げられるよう、全力を尽くしたいと思います。

 

(文責:吉田)