寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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教育公務員特例法等の一部を改正する法律の公布について

本日は、以前もこのブログでお伝えした表題の件について。

文科省に情報がアップされました。

 

教育公務員特例法等の一部を改正する法律の公布について(通知):文部科学省

 

この法律、先月(2016年11月)末に公布(ただし施行は来年(2017年)4月です)となりましたので、改めてその内容を確認しておきましょう。

以下、上記リンク先のHPより抜粋の上、筆者が太字下線等を付けております。

第一 改正の趣旨

改正法は、学校教育関係職員の資質の向上を図るため、公立の小学校等の校長及び教員の任命権者に校長及び教員としての資質の向上に関する指標及びそれを踏まえた教員研修計画の策定義務付けるとともに、10年経験者研修を改めた中堅教諭等資質向上研修を創設するほか、学校教育関係職員としての職務を行うに当たり、必要な資質に関する調査研究等の業務を独立行政法人教員研修センターの業務に追加し、その名称を独立行政法人教職員支援機構に改める等の措置を講ずるものである。

第二 改正の概要

(1)教育公務員特例法の一部改正

1 校長及び教員としての資質の向上に関する指標の策定に関する指針

文部科学大臣は、公立の小学校等の校長及び教員の計画的かつ効果的な資質の向上を図るため、2の校長及び教員としての資質の向上に関する指標の策定に関する指針(以下「指針」という。)を定めるものとすること。(第22条の2関係)

2 校長及び教員としての資質の向上に関する指標

公立の小学校等の校長及び教員の任命権者は、指針を参酌し、その地域の実情に応じ、当該校長及び教員の職責、経験及び適性に応じて向上を図るべき校長及び教員としての資質に関する指標(以下「指標」という。)を定めるものとするとともに、指標を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ4の協議会において協議するものとすること。(第22条の3関係)

3 教員研修計画

公立の小学校等の校長及び教員の任命権者は、指標を踏まえ、当該校長及び教員の研修について、毎年度、体系的かつ効果的に実施するための計画を定めるものとすること。(第22条の4関係)

4 協議会

公立の小学校等の校長及び教員の任命権者は、指標の策定に関する協議並びに当該指標に基づく当該校長及び教員の資質の向上に関して必要な事項についての協議を行うための協議会(以下「協議会」という。)を組織するものとするとともに、協議会は、指標を策定する任命権者及び公立の小学校等の校長及び教員の研修に協力する大学等をもって構成するものとし、協議会において協議が調った事項については、協議会の構成員は、その協議の結果を尊重しなければならないものとすること。(第22条の5関係)

5 中堅教諭等資質向上研修

10年経験者研修を改めた中堅教諭等資質向上研修として、公立の小学校等の教諭等の任命権者は、当該教諭等に対して、個々の能力、適性等に応じて、公立の小学校等における教育に関し相当の経験を有し、その教育活動その他の学校運営の円滑かつ効果的な実施において中核的な役割を果たすことが期待される中堅教諭等としての職務を遂行する上で必要とされる資質の向上を図るために必要な事項に関する研修を実施しなければならないものとすること。(第24条関係)

((2)以下略) 

ちなみにこの法律、上記にもある通り、公立小学校を主な対象としています。

よって、私学には適用がありません。

なのに、なぜこのブログで採り上げたのか。

それは、私学でも十分参考になる視点だと感じたからです。

 

私が知る限り、教員研修の必要性や重要性は少しずつ認知されてきているものの、各校における取組には今のところ、それほど進展はありません。

当然、実施のための時間確保等の課題はあるものの、それ以上に感じるのは、「優先度の低さ」です。

学校における教員の存在はまさに生命線であるにもかかわらず、「育てようとしても無駄」との意識が強くはびこっているように感じてなりません。

育てることの専門機関たる学校であるにもかかわらず、です。

 

公立校では上記の通り、体系的な研修制度、そして研修計画の立案が始まります。

私学においては教育委員会等の上位機関がありませんので、自らその仕組みを持つ必要があります。

それは簡単なことではないかもしれませんが、その取組を阻害しているのは金銭や時間ではなく、おそらく上で触れた「意識」でしょう。

 

ちなみに、私学同士が連携して、様々な研修を実施することも可能です。

先日もある私学が主催する研修会の講師を務めさせていただき、その場には5~10の別法人からの参加者があり、皆さん熱心に受講していただきました。

研修は、学ぶという目的と同時に、そこに集った人たちのつながりを強くするという効果を生みます(やり方にもよりますが)。

年に数度だけでも、研修の実施を定例化してみてはいかがでしょうか。

各校で「教職員を育てる」という取組が進むことを願っています。

 

(文責:吉田)