本日は、給与に関する統計をご紹介します。
人事院HPより。
給与に関しては人事院もいろいろと調査をされていますが、HPにアクセスすることはそれほど多くないのではないでしょうか。
その意味でも、今回はいい機会ですね。
ただ、ページを開いていただくとお分かりの通り、なかなか使い勝手の悪いページです。
項目別にリンクがされていて、資料全体を一度にダウンロードできないどころか、1ページずつをそれぞれ引っ張って来ないといけません。この手間たるや、なかなか大変です。ちょっとした嫌がらせ?とすら思ってしまいました(苦笑)。
しかも、サマリーが付いていないので、全体をこまごまと読み解いていかねばなりません。何とも不親切な統計です。
愚痴はこのくらいにして、皆さんのお手間を減らすため、以下で中身をざっとまとめておきましょう。調査時点は平成28年4月です。
○採用状況
大卒新人の採用を行った、という企業は全体の約半分(49.7%)。
ですが、企業規模別でみると従業員数500人以上では86.5%に上る一方、50~100人では26.5%となっています。
企業規模の大きさと新卒採用の有無は概ね比例関係にありそうです。
○初任給
大卒新人の事務員 初任給:197,294円(規模100~500人は194,846円)
〃 高校教諭初任給:206,069円( 〃 203,602円)
さて御校の初任給設定と比較していかがでしょうか。
○平均年齢及び平均支給額(きまって支給する給与)
事務課長:48.5歳/587,283円
事務係員:35.8歳/329,108円(うち時間外手当41,830円)
高校校長:61.2歳/763,670円
高校教頭:56.3歳/655,224円
高校教諭:43.6歳/497,349円
金額の比較も重要かもしれませんが、御校の教職員の平均年齢もぜひ気に留めておいてくださいね。
年齢構成のいびつさは急には変えられませんので。
○家族手当の支給状況
家族手当制度がある:76.8%
上記のうち、配偶者に家族手当を支給する:87.0%
さらにそのうち、配偶者の収入による制限がある:85.4%
さらにさらにそのうち…
収入制限の額が103万円である:65.9%
〃 130万円である:29.5%
上記基準を見直す予定がある(検討中含む):9.1%
〃 ない:77.6%
さてここは税制改正項目ですね。
103万円を制限にしている企業がどのように動くか、に注目したのですが…基準の見直しを予定していない企業が圧倒的多数です。本当にそうなんでしょうかね?
税制改正後の動きに注目しておこうと思います。
御校の基準もぜひチェックしておいてくださいね。
○平成27年冬季賞与の考課査定分の割合
係員…43.8% 課長級…48.1% 部長級(非役員)…49.1%
賞与の半額程度が査定によるもの、という結果でした。
私学は現時点においてはほとんどが一定率(額)による支給と思われます。
さて御校はどう考えますか。
○給与改定・定期昇給の状況
ベースアップを実施した割合…係員:26.6% 課長級:22.2%
定期昇給を実施した割合…係員:84.8% 課長級:78.4%
定期昇給制度の状況
自動昇給のみ…係員:12.1% 課長級:11.3%
査定昇給のみ…係員:33.6% 課長級:35.9%
査定昇給+昇格昇級…係員:20.4% 課長級:23.3%
政権からベースアップを懇願されてようやくこの水準、ということなのでしょうか。
また、定期昇給は8割が実施されていますが、学校で多く採用されている自動昇給(年齢給による俸給表)制度を採用しているのは全体の1割強。少数派です。
良し悪しは別にして、学校における今後の給与の考え方は変化していくのではないか、と推測できます。
以上、学校におけるポイントをざっと拾ってみました。
いかがでしたでしょうか。
他との比較は、それだけで決定要因とはなり得ませんが、自校の位置を知るいい手掛かりになります。
ぜひご活用ください。
(文責:吉田)