「ビジネスパーソン1000人調査」【仕事と健康編】を発表しました。
本日はこの調査結果の一部をご紹介いたします。
http://www.jma.or.jp/news_cms/upload/release/release20161012_f00414.pdf
この調査は、2016年7月から8月にかけて、正規・非正規で働く
20~69歳までの全国の男女1000人を対象としたものです。
まず、1000人中514人が日常的に残業をしていると回答しており、
残業による私生活への影響として以下を挙げています。
- 趣味の時間が減った(28.4%)
- 睡眠不足になった(25.1%)
- 食生活が乱れた(22.2%)
- 身体面で不調を感じた(21.4%)
- 精神面で不調を感じた(18.9%)
また、514人の中でも、一日あたりの残業時間が3時間以上と
回答した人(48人)に限ると、「精神面で不調を感じた」と回答した
割合が25.0%に上昇しており、長時間の残業が常態化をすることにより
大切な私生活や健康をいかに犠牲にしているかがわかります。
では、残業がなぜ常態化しているのかという問いに対する回答は
- 自身の日常業務が終わらないから(45.7%)
- 突発的なことに対応する必要があるから(27.6%)
- 残業手当がほしいから(15.8%)
- 職場が残業をする雰囲気だから(15.2%)
となっており、1位と2位は予想通りといったところでしょうか。
ここで気になるが4位の「職場が残業をする雰囲気だから」という回答です。
(3位も違う意味で気になりますが・・・)
ここでも、一日当たりの残業時間が3時間以上と回答した人に限ると、
回答した割合が27.1%と大きく上昇しています。
自身の業務は終わっているのに、帰りづらい雰囲気だから毎日長時間の
残業が発生するなんて、ただの時間の無駄使いとしか言いようがないですが、
そのような職場には暗黙のルールのようなものがあるのでしょうね。
最後に、残業を減らすために自身で工夫していることとして、
- 優先順位の高いものから取り組む(28.0%)
- 目の前の仕事に集中する(22.8%)
- 時間管理を徹底する(19.3%)
となっています。
ただし、最も多かった回答は「工夫していることはない」で
31.5%の人がこのように回答しています。
さらに、ここでも一日当たりの残業時間が3時間以上と回答した人に限ると、
回答した割合は41.7%に上昇します。
残業することが当たり前になってしまっているのか、
工夫を考えること自体がナンセンスと思ってしまうような
職場環境・風土・文化なのでしょうか。
この調査は個人を対象としたものであり、会社としての取り組みに
関する設問はありませんが、長時間の残業を是正するためには、
やはり個人だけの力ではどうにもならないことが多いのだろうと
思います。特に、常態化してしまっている職場、組織については
なおのことです。
上長(リーダー)は部下の仕事をマネジメントすることは
当然ですが、チームとして効率化を図ることも求められます。
そして、仕事面だけでなく健康面も十分に配慮しなければいけません。
質の高い仕事を実現するためには、心身が健康であることは絶対条件です。
「早く帰ろう」と声掛けをすることも当然必要ですが、
それだけで残業がなくなるのならばもちろん苦労はしません。
残業が発生している事実を認識し、原因を明らかにして、
個人に委ねるのではなく、組織・チームとして解決することが
重要ですね。
(文責:木村)