寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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平成28年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況

毎年発表される統計のひとつ、賃金構造基本統計の調査結果が発表されました。

すでに新聞等でご覧になった方もいらっしゃるかもしれませんね。

本日はその内容をざっとご覧いただきましょう。

厚生労働省HPより。

平成28年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況|厚生労働省

 

タイトルの通り、初任給に関する統計情報です。

各校においても初任給の情報は気になるところではないでしょうか。

以下、概要を引用しながら見ていきましょう。

 

まずは学歴別の数値です。

平成28年の初任給を高校卒以上の学歴別にみると、男女計、男女別ともに、全ての学歴で前年を上回っている。

【男女計】

大学院修士課程修了 231.4千円 (対前年増減率 1.3%)
大学卒 203.4千円 (同 0.7%)
高専・短大卒 176.9千円 (同 0.7%)
高校卒 161.3千円 (同 0.2%)

【男性】

大学院修士課程修了 231.7千円 (対前年増減率 1.4%)
大学卒 205.9千円 (同 0.7%)

【女性】

大学院修士課程修了 229.7千円 (対前年増減率 0.5%)
大学卒 200.0千円 (同 0.6%)

前年との比較はこのように上がっていますが、さらに遡るとどうかと言いますと…

平成17年以降で見ると、大学院卒を除き、最高額となっています。 

ちなみに男女計・大学卒では、ここ最近で一番高かったのが平成23年・27年の202千円ですから、それよりも1千円強高くなっていることになります。

 

さらにこれを企業規模別でみるとどうでしょうか。

企業規模別の初任給を学歴別にみると、大学卒では、大企業(常用労働者1,000人以上)及び小企業(同10~99人)で男女ともに、中企業(同100~999人)では女性で前年を上回っている。また、高校卒では、大企業では男性で、中企業及び小企業では女性で前年を上回っている。

初任給の企業規模間格差(大企業=100)をみると、大学卒では、小企業で男女ともに、高校卒では、中企業、小企業ともに女性で、それぞれ前年に比べ大企業との格差が縮小している。

ここで留意したいのは「中企業」の初任給の伸びが小さい点です。

特に大卒・男性では前年から0.2%の減となっています。

上記にある通り、中企業は従業員数が3桁の規模ですので、学校法人の相当数がここに該当します。

小企業においては大卒の初任給が2%程度上昇しているのとは対照的な現象が起きていることが分かります。

 

続いて産業別に見てみます。

主な産業について初任給を学歴別にみると、大学卒では、男性は「建設業」(213.2千円)、女性は「情報通信業」(210.9千円)が最も高くなっている。一方、最も低い産業は、男性は「宿泊業,飲食サービス業」(194.1千円)、女性は「運輸業,郵便業」(185.2千円)となっている。高校卒では、男性は「情報通信業」(172.4千円)、女性は「生活関連サービス業,娯楽業」(164.7千円)が最も高くなっている。一方、最も低い産業は、男性は「医療,福祉」(148.2千円)、女性は「金融業,保険業」(150.6千円)となっている。

上記概要には教育業が登場しませんが、統計を確認しますと以下の通りとなっています。

教育・学習支援業

【男女計】

大学院修士課程修了 235.4千円 (対前年増減率 2.3%)
大学卒 200.6千円 (同 0.6%)
高専・短大卒 175.9千円 (同 1.2%)
高校卒 157.6千円 (同 △0.2%)

【男性】

大学院修士課程修了 235.9千円 (対前年増減率 1.2%)
大学卒 203.2千円 (同 △2.0%

【女性】

大学院修士課程修了 234.3千円 (対前年増減率 3.7%
大学卒 199.1千円 (同 1.4%)

赤で記したところが特徴的な箇所です。

すなわち、大卒の男性は前年比2%の減となっている一方、院卒の女性は前年比3%を超える大きな伸びです。

原因は分かりませんが、需給バランスの影響も考えられますね。

 

さて、御校の初任給はいかがでしょうか。

最近は幼児教育を担当する幼稚園において特に採用が難しくなっている状況をよく耳にします。

初任給は採用条件の中でも重視される情報だけに、世間の状況を勘案しつつ、自らの組織に合った水準を模索していただければと思います。

 

(文責:吉田)