人材採用が困難を極める昨今。
さまざまな業種の中でも運輸や介護が極めて厳しい状況といわれています。
では学校や幼稚園は…といえば、やはりあちこちから厳しいとの声が聞こえてきています。
採用はもちろん必要なことではありますが、今般のように採用が難しいときに真剣に向き合うべきは「人材『育成』」です。
本日のブログは、未成立の法案ながらその人材育成に気付きをくれる題材になれば…と願いつつお届けいたします。
文科省HPより。
上記ページには「概要」「要綱」「新旧対照表」等が掲載されていますが、内容をつかむためには「概要」で十分でしょう。
そして、私学が参考にすべき箇所はこれらの中でも「教育公務員特例法の一部改正」部分に絞って良いと感じます。
以下、それをかいつまんで記します。
まずは改正法による全体スキームについて。
こんなふうな図示がなされています。
つまり、文部科学大臣が策定した指針に基づき、校長や教員の職責・経験・適性に応じてその資質の向上を図るための必要な指標が定められ、その指標を踏まえた教員研修計画が定められる、というしくみです。
そして、これまで「十年経験者研修」とされていたものを「中堅教諭等資質向上研修」に改め、中堅教諭等としての職務を遂行する上で必要とされる資質の向上を図るための研修とする、とされています。
ちなみに、本改正法は中教審の答申や政府・教育再生実行会議の提言を受け、経験の浅い教員を育成することを趣旨にしています。
が、ここでの対象者として校長や10年選手を含めていることからも、各教員の役割や経験に応じた育成のための研修計画立案を狙っているものといえるでしょう。
学校という業界は本来、人を育てるための業界であるはずです。
しかしながら、子どもたちを育てることは意識にあっても、「大人」を育てる意識は他業界以上に低いといえるかもしれません。
少子化と同時に働き盛りの大人も減ってくる今後においては、校内で人材を育成することを真剣に考える必要があります。
そして、それを実行するためにはやみくもに研修をすればいいわけではなく、ねらいを明らかにし、それに基づいた研修計画を立案することが重要です。
さらには、その計画の達成度を確認するために、適切な指標を設けることもまた有用であると言えるでしょう(必ずしも、ではありませんが…)。
今回ご紹介した改正法はこれらの気づきを与えてくれます。
次年度以降の事業計画に、教職員の育成計画をぜひ盛り込んでいただきたいと願っています。
(文責:吉田)