電通で痛ましい事件が起きたことは、皆さんご存知だと思います。それに加えて
会社全体で長時間労働が常態化している恐れがあるとして、労働基準監督署の調査が本社だけでなく、支社やさらには子会社まで及んでいます。
その調査官には「かとく」(過重労働撲滅特別対策班)と呼ばれる長時間労働の調査を専門にするスタッフも含まれているらしく、役所の本気度が伝わってきます。
元々国は「長時間労働の削減」に力を入れており、この立ち入り調査が入る
少し前に「過労死白書」なるものを発行しています。
この白書では「過労死ライン」とされている1ヶ月の残業時間が80時間を
超える方がいる企業の割合が2割にも上るとされています。
1ヶ月の合計80時間だと、なかなかイメージがわきにくいかもしれませんので
乱暴な考え方になりますが、無理やり1日当たりに換算してみますね。
80時間÷20日=4時間
(1ヶ月の所定労働日数は21日~22日程度だと思いますが、計算の都合上
20日としました。)
ある方が9:00~18:00の勤務だった場合、4時間の残業なので
22:00まで残って働いていたということになります。
いかがでしょうか?
このあたりの時間まで残って仕事をされているのは、一般企業だけでなく
学校現場の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
さすがに毎日22時とはいかないまでも、この時刻に近いところまで
残っていれば、身体的・精神的に疲労が蓄積されてきます。
とはいえ、「長時間労働が悪いのはわかっている。しかし仕事が多く
仕方なく残っている!」という声があることも理解しています。
ただ、そのまま放置するのはいけないと思います。
少しでも長時間労働を減らす努力は必要です。
そのためには、
①現状を知る
②削減できるものを探す
③他人にお願いする
あたりから始めて欲しいのです。
①では、1週間の時間の使い方を記録することをお勧めします。
記録することで、自分がどの業務にどれだけの時間を使ったかがわかりますし
それを1ヶ月継続することで、自分の癖や「削減できそうな業務」が見えてきます。
②では①で浮かび上がった業務の中で、「もしかしてこれはやらなくても
いいかも?」と思える業務を、思い切って削減してみてください。
時間の使い方をレベルアップさせるよりは、簡単に効果が実感できます。
③はもしかすると勇気がいるかもしれません。
自分の業務とされているものを他人にお願いするわけですから、
抵抗があるのもわかります。
ただ、もしかしたら自分がやらなくてもいい業務なら、他の人に
お願いすることも有効な手段です。
例えば、ある会議資料の印刷を毎回自分がしていたのなら
それを会議のメンバー持ち回りにしてみるとか、
そもそも、データでメンバーに送り、それを各自が印刷して
会議に臨むように変更すれば、自分の作業量は減りますよね。
(ただし、自分勝手な判断は禁物です。必ず管理職に相談して行ってください)
少しの気づきで、自分が楽になる可能性があるなら
チャレンジしてみませんか?
(文責:竹内)