昨今、「ブラック〇〇」という言葉を良く耳にするようになりました。
中でもブラック企業という言葉はすっかり世間一般に定着しています。
メディアを通じて事実が世間に広まったり、事後の対応に問題があった
場合には、当該企業は「ブラック企業」として認知されてしまい、
世間の風当たりは非常に厳しものとなり、
その負のイメージを払拭することは容易なことではありません。
また、根本的な原因である企業の体質を改善することはさらに難しいでしょう。
学校に目を転じてみると、「ブラック部活」という言葉が最近メディアで
取り上げられることが多くなってきています。
この記事では、部活の顧問を務めている教諭の現状が
書かれています。
神奈川県内の20代の女性教諭は、外が薄暗い午前5時ごろに起床する。6時半には登校し、顧問を務める吹奏楽部の朝練に参加。授業後の放課後も吹奏楽部の指導に当たり、生徒が下校してから採点などの業務を行う。担任するクラスの生徒が休んだり問題を起こしたりすれば、家庭へ電話することも必要だ。帰宅が午後11時ごろになることも多い。
休日にも練習や大会が入るため、1日も休めない月がある。練習を減らそうにも、休むと生徒の実力が落ちる上、保護者からクレームも寄せられる。「拘束時間が長く、本業の授業や学級運営まで手が回らない」と悲鳴を上げる。
記事は一例であり、全ての学校において同じことがあてはまる
わけではありませんが、先生に掛かる負担の大きさがよくわかります。
部活動が生徒の心身の成長に大きく寄与することは理解できますが、
それにより先生の本業である授業や学級運営に支障を来たしている
となれば本末転倒です。
また、生徒にとっては、授業の質が低下することにより
大切な学習機会が失われることにもなりかねません。
保護者にとっては、自分達の学生時代がそうであったように
学校での部活動はあって当たり前という感覚かと思いますが、
先生方のこのような負担(長時間労働)があって成り立っているもの
というのはほとんど知られていないのが現状だと思います。
アクティブラーニングやICTの活用等、教育の現場における
変革の流れは加速しており、それらに即時に対応すると
先生方の負担はさらに増えてしまいます。
質の高い教育を生徒達に継続的に提供するためには、
先生方は心身ともに健康でなければいけません。
そのためにも、これからの部活動の在り方の検討が望まれます。
(文責:木村)