寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

廃線寸前だったローカル線の復活

人口減少社会において、企業にとっては労働力(人手)の不足や

顧客の減少といった深刻な問題を招き、どの企業も生き残りに必死です。

また、学校においては生徒数の減少が経営に大きな影響を与えます。

今までの通りのやり方を踏襲していれば大丈夫という訳にはいかず、

現実を直視した上で、しっかりと経営戦略を練る必要があるでしょう。

 

人口の減少が様々な影響を及ぼすことが予想されます。

特に、都心部と比較し人口減少が急速に進行する地方にとっては

さらに深刻な問題ですが、そんな閉塞感漂う状況の中、

廃線寸前に追い込まれながらも人気路線へと復活した

地方の鉄道路線に関する記事をご紹介します。

 

www.itmedia.co.jp

 

 

JR西日本の「みすゞ潮彩」(山陰本線)、JR四国の「伊予灘ものがたり」

(予讃本線)、JR九州の「指宿のたまて箱」(指宿枕崎線)――日本各地

を走り回る観光列車。その数は100を超えており、観光客から人気を集め

ている。近年は「ななつ星in九州」などの豪華列車も登場し、特に盛り上

がりを見せている。

そんな観光列車ビジネスの先駆けとなったのが、今年で開通80周年を迎え

秋田県青森県をつなぐ「五能線」である。大きな窓から季節ごとに異

なる沿線の絶景を楽しめる「リゾートしらかみ」が話題を呼び、「日本で

一番乗りたいローカル線」(2014年、楽天トラベル「旅行好きが選ぶ! 

おすすめのローカル列車ランキング」)と評価されるほどの人気ぶりだ。

実は、もともと五能線は赤字路線であり、観光列車が運行する前は廃止も

検討されていた。

五能線に観光列車が走り始めたのは1990年。人口流出によって利用者が減

少し続け、窮地に追いやられていた五能線の復活を賭け、当時のJR秋田支

社は列車の窓から見える絶景を生かした観光路線に転換した。

当時は、広いエリアを走る路線を観光の目玉として売り出す前例はなく、

県を跨ぎ13もの市町村が連携して取り組む販売促進も前代未聞。当然その

改革は容易ではなく、すぐに成果につながることはなかったが、地道に努

力を積み重ねてきた結果、今では年間10万人以上の観光客が「リゾートし

らかみ」に乗車するほどの人気を博し「奇跡のローカル線」と言われるま

でになった。

 

このような観光列車は今や当たり前の存在となりつつありますが、

JR東日本五能線が先駆者なのだそうです。

では、なぜ廃線寸前まで追い込まれた五能線が見事に人気路線へと

復活することができたのかというと、

そのカギは「全員野球」にあるとのことです。

 

外部の経営のプロを雇ったり、コンサルタントに依頼したわけではなく、

以前から勤務していた社員達が人気路線へ変えるための

知恵やアイデアを出し、五能線を魅力的な観光列車へと

変えていったのだそうで、また、それを可能にしたのが

次のような社内の仕組みにあるとのことです。

 

同社は「ホールランを打てる人材はいなくても、シングルヒットを積み重

ねる人材はいる」と考え、ヒットを連打する組織を作るために「My

Project」(通称、マイプロ)というJR東日本全社で展開している制度を積

極的に活用している。

My Projectは自分の関心があること(あるいは課題を感じていること)を

仕事として取り組むことができる社員教育プログラム。ユニークなの

は、“成果は求めず”主体的に動いたこと自体を評価することだ。

どんな小さなことでも、その社員の取り組みを評価し、モチベーション向

上につなげる。例えば同社は「KOMACHI」という社内報を通じて、毎月

100人以上の社員の取り組みを紹介している。これが「自分もこの社内報

に載りたい」「自分も何かしよう」という意欲をかき立てる環境を生み出

しているという。

 

組織に所属する人たちが主体的に取り組んでもらわないことには

問題の根本的な解決には至らないでしょう。

また、場合によっては、問題を問題と認識してもらうことすら

難しいこともあるでしょう。

様々な問題を乗り越えていくためには、全員のモチベーションを

常に高く維持し、当事者意識を持ってもらうことが欠かせません。

その積み重ねがあって、組織を「個」から「チーム」へと昇華させる

ことができるのではないかと思います。

 

(文責:木村)