寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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日本一の文化祭

9月に入り朝晩は涼しくなり、そろそろ秋の足音が聞こえてきました。

学校で秋と言えば文化祭、学園祭の季節です。

生徒達が最も心躍らせる学校行事の一つではないでしょうか。

 

学生時代最大のイベントとも言える文化祭ですが、

中でも、東京都立国立高校の文化祭は「日本一の文化祭」と

称されるほどとにかくスゴイのだそうです。

 

style.nikkei.com

 

まず、国立高校がどんな高校かと言いますと

国立高校は東京都国立市にある都立高校です。通称は「国高(くにこ

う)」。東京都立の高校の中ではトップレベルの学校で、東京大学にも毎

年20人以上の合格者数をあげており、都立の中で上位の進学実績を誇って

います。

進学校として国公立大学を狙う学生が大半のため、浪人する人も

いますが、多くの生徒がMARCH以上には合格しています。

校風は、生徒の自主性に任せているところが多く、服装や頭髪も自由で校

則はほとんどありません。

文武両道のもとほぼ全員が部活動に所属しており、野球部は過去に都立と

して初めて甲子園に出場したという歴史があります。

また、日本一の文化祭と呼ばれ、毎年1万人ほどが来場するという「国高

祭」という文化祭が有名です。

出身の有名人としては、評論家の三宅久之氏をはじめ、学者や研究者とし

て活躍している方が多いです。

                    (「みんなの高校情報」より引用)

国立高校(東京都)の情報(偏差値・口コミなど) | みんなの高校情報

 

と、非常に魅力的な文言が並んでいます。

中でも「日本一の文化祭」には2日間で保護者や卒業生を含めて

約1万人が訪れるほどの規模で、特に、全3年生がクラスごとに上演する

演劇のレベルの高さが「日本一の文化祭」と称される所以だそうです。

 

4日午前8時すぎ。9クラスある3年生の演劇の初回公演を見るために、

約900人が抽選待ちの会場となっている体育館を埋め尽くしていた。普段

授業を行っている教室が会場となるため、鑑賞できるのは75人まで。2日

間の日程で、1回80分の公演が初日は4回、2日目は3回あるが、もっと

も人気のクラスの公演の席を確保するためには約5倍の倍率をくぐらなく

てはいけない。

かつては受け付け順に鑑賞者を決め、8年前から整理券を配っていたが、

「早朝から人が並び午前6時には校門前に100人以上が列をなす」(文化

祭担当教員)状況になり近隣住民から苦情が出た。3年前から抽選形式を

導入して改革を進めてきたが「申し込みや抽選結果をボードで確認するの

に時間がとられ、他の展示物が見られない」(同)などの不満の声が相次

いだ。

 

まさに「行列ができる文化祭」です。

私がイメージする一般的な高校の文化祭とはかなりかけ離れたものです。

さらに驚くのが、上記引用部分の近隣住民からの苦情に対応するため、

3年生の生徒が4か月の期間をかけてインターネットによる受付抽選の

システムを開発したそうです。

 

また、非常に多くの来校者を集める文化祭なので、

他にも様々な混乱が発生することが想像できますが、

校内が混乱しないように導線を決めており、学生が自分の役割を

理解し動いているとのことで、目立った混乱は起こっていないそうです。

その運営管理手法には、大手企業も注目しているそうです。

 

このイベント管理能力の高さは企業にもとどろいているようだ。今年8

月、トヨタ自動車グループのある大手部品メーカーが、国高における文化

祭の組織や体制、進捗管理についてヒアリングを求めてきた。同社のプロ

ジェクト・マネジメントに応用したいとのことだった。

 

これだけでも十分すぎるほどスゴイと感じるのですが、

彼らはさらに改善活動も行い、質の向上を目指しています。

 

ヒアリングに出席した文化祭実行委員長の植田健太さん(2年)による

と、今年の文化祭では「減点方式を改めた」そうだ。これまでは、各クラ

スが準備を進める過程で、実行委員会が「ペンキが飛び散った」「教室の

柱に傷をつけた」といった不備を見つけては「減点」をしていた。その狙

いは「トラブル防止のための抑止力となる」(高校関係者)ことだとい

う。

「しかし、減点を恐れて実行委員会に対して隠すケースも目立った。今年

はミスをみんなでシェアして改善する方向にした」と植田さん。組織改正

はこれだけにとどまらない。文化祭とともに9日の体育祭と後夜祭を含め

た「国高祭」を統括する国高祭実行委員長の川向泰斗さん(2年)は「毎

年決めるスローガンも、言葉だけが先走らないよう、ミッションの共有を

大事にした」と語る。

例年はスローガンを全体から募集していたが、「キャッチーな言葉に決ま

りがちで、一体何をやりたいのか、といった中身がわかりにくかった」

(川向さん)。そこで今年は川向さんと植田さん、体育祭と後夜祭の両委

員長の4人で「国高プライド」をスローガンに決めた。

川向さんは「僕たちは自由を尊重するが、それは責任が伴い、また先輩た

ちの伝統などで成り立っている。そういう気持ちを在校生全員で共有した

かった」と語り、折に触れて「本当にそれは国高プライドなのか?」との

問いかけを徹底したそうだ。

 

もはや、企業活動の一部を見ているような気持ちにすらなってしまいます。

 

このような素敵な文化祭は間違いなく生徒達の一生の思い出になるでしょうし、

今後の人生においてもきっと役に立つことでしょう。

また、母校を誇りに思う気持ちは計り知れないものがあるでしょう。

 

このような、生徒達の主体性により育まれ続ける「学校の魅力」こそが

「通いたい学校」として選ばれる大きなポイントになるのでしょう。

 

(文責:木村)