最近、何かと話題の「部活動」に関してですが、
部活動への対応が主な原因で発生した新人教員の長時間労働に
関する記事がありました。
今年4月に新たに着任した名古屋市立中学校の新任教諭の「残業時間」
が、月平均で100時間に迫ることが愛知県教職員労働組合協議会(愛教
労)の調査でわかった。
国が定める「過労死ライン」(月平均80時間)を超えていた。主な要因
には、部活動の対応などがあるという。
愛教労が22日、発表した。市立中の教諭はパソコンで出退勤時間を記録
しており、市教委が行った初任者研修会の対象者65人全員分のデータを
愛教労が分析した。
勤務時間(午前8時15分~午後4時45分)以外の在校時間を「残業」
と見なした。
月別平均は赴任直後の4月が93時間、5月が89時間、6月が98時間
で、毎月20人以上が100時間超だった。最多では4月に177時間、
6月に197時間の教員がいた。
ほとんどが部活顧問を担当していた。
教員の方々の勤怠管理をタイムカードにより行っている学校は
あまり多くないようですが、このように勤務時間を記録することで
長時間労働の実態が浮き彫りになります。
逆に言えば、記録をしなければ実態は見えてきませんし、
実態が見えなければ改善にも繋がりません。
新任教諭ということで不慣れなことも多かったことが想像できますが、
それにしても残業時間が月平均100時間というのは驚きです。
文部科学省が今年6月に公表した「学校現場における業務の適正化に向けて」
において、教員の部活動における負担を大胆に軽減する旨の方針が
示されていますが、この記事の教員の残業時間を見る限りでは、
相当本気で取り組まなければ、業務の適正化による長時間労働の
是正は非常に険しいように感じます。
加えて、部活動の対応に追われることで、肝心の授業準備などの時間が
圧迫されているとすれば本末転倒です。
先述の「学校現場における業務の適正化について」においては、
教員の部活動における負担軽減策として
①休養日の明確な設定等を通じ部活動の運営の適正化を推進する
②部活動指導員の配置など部活動を支える環境整備を推進する
の二項目が掲げられていますが、学校における部活動は
あくまで自主的・自発的な活動ということですので、
部活動の今後の在り方については、各学校レベルでも
早急に考える必要がありそうです。
(文責:木村)