5月に入り、学校運営も本格化してきた頃だと思われます。
生徒だけでなく教職員の皆様も、ある程度業務も慣れてきて
リラックスした状態で日々の仕事をこなされているでしょう。
ただ、肩の力が抜けて業務に取り組むのはいいのですが、
気を抜くと「業務の質」が落ちてしまうのも事実です。
皆様は「リンゲルマン効果」という言葉をご存知でしょうか?
フランスの学者でリンゲルマンという方が行った実験があります。
単純なものですが、
綱引きを1対1で行った際の力の発揮度合いを「100」とした場合
その人数が増えたら、一人当たりのパフォーマンスがどう変化するのかを
実験で確かめたものです。
それによると・・・
2人の場合:93%
3人の場合:85%
・
・
7人の場合:56%
8人の場合:49%
(なんと半分以下!!)
となったそうです。
集団が大きくなると、個々の能力を(無意識的に)セーブしてしまうのです。
これを「リンゲルマン効果」や「社会的手抜き」と呼んでいます。
綱引きに関しては、(私も遠い昔ご経験がありますが、)
言われてみれば確かに、「誰かが頑張るだろう」ということで
全力を出してなかったような気がします。
このリンゲルマン効果の恐ろしい(?)点は
日常の業務にも当てはまってしまうことです。
例えば、
「●●という課題に対して、各自で意見を会議までにまとめておくように」
といった指示があった場合、
「自分がやらなくても、多分誰かが頑張って意見出してくれるだろう・・・。」
「外のメンバーの意見を聞いてから、それにコメントすればいいかな・・・。」
というふうに「手抜き」が始まるのです。
この状態を放置しておくと
個々のメンバーのパフォーマンスは落ちますし、
集合体である組織のパフォーマンスも落ちていきます。
防ぐためには
「個々人の業務分担を明確にする」ことです。
責任を持たせるととらえてもいいかもしれません。
(行き過ぎると「業務の蛸壺化」を招きますので
悩ましいところではありますが・・・。)
学校運営上、多人数で力を合わせて業務を進めるので
「リンゲルマン効果というリスク」を知った上で
業務分担を進めてみてはいかがでしょうか。
(文責:竹内)